藤田伸二氏も、JRA公式も、岩田康誠「爆弾発言」にタジタジ…!? 生中継「全国の皆さん、炎上の岩田です」中央競馬が取った対応は?
「いやいや、権利じゃないんです。勝つために来てるんで」
「はい……。すいません……」
思わぬ展開に現場が凍り付き、元JRA騎手の藤田伸二氏からも「どしたんやろな…どんどん敵を増やす受け答え…」(公式Twitter)と心配されたインタビューから一夜が明けた20日。
テレビで生中継されるメインレースの勝利騎手インタビューに立ったのは、またも岩田康誠騎手だった。
5番人気のビーアストニッシドに騎乗した皐月賞トライアルのスプリングS(G2)を、岩田康騎手らしい積極果敢な競馬で完勝。本騎手は、これで今年重賞3勝目と絶好調。これで口の方も“舌好調”になってくれれば……という思いは、現場の共通認識だろう。
果たして、今回はどんなハプニングが待っているのか、現場はおっかなびっくりでも、多くのファンは“岩田節”を楽しみにしていたに違いない。
ところがレース終了後、JRAの公式ホームページにアップされたスプリングSの騎手インタビューには「優等生」そのものの岩田康騎手が登場していた。
無論、自他ともに認めている通り、応答に多少言葉足らずなところはあったものの、最後は「馬とのコミュニケーションであったり、レースに対しては本当に馬とちゃんと向き合ってるんで。それだけは、ファン皆さんも思っておいていただければ嬉しく思います」と好感度爆アガりの締め。
もちろん紛れもなく本人の言葉だが、何事もなくインタビューが終わったのは、一部のファンにとっては少々寂しくとも、現場の人間にとっては何よりだろう。
だが、実際はそうではなかったようだ。現場の記者に映像を確認してもらうと「編集されてますね」というから驚きだ。
「各レース中継でも放送されていたと思いますが、最初は『こっちに引き揚げてくるときに「ドヤッ」っていう声が聞こえたんですが』という質問でしたよ(笑)。
まあ、これは岩田康騎手が“ドヤッた”というわけではなくて、本人曰くC.ルメール騎手(アライバル)とどっちが勝ったのかわからなかったため『どうなった?』という意味だったようです。
“凍り付いた”という意味では、インタビュアーが2000mの皐月賞への距離延長について聞いた時でしょうか。岩田康騎手は『え? 一緒ちゃいます?』と少し怒っている風でしたね。
ただ、これも2月のフェブラリーS(G1)へテイエムサウスダンで挑んだ際に、何度も聞かれたこと。結果的に2着に持ってきましたし、岩田康騎手の中では距離不安を思うのは『人の勝手』という考えがあるのでしょう。実際にビーアストニッシドは昨年2000mの京都2歳S(G3)で2着していますし、距離は問題ないはずですしね」(競馬記者)
記者が話す通り、今年のフェブラリーSにテイエムサウスダンが出走した際、これまでの勝ち星がすべて1400m以下であり、3走前の武蔵野S(G3、1600m)で9着に惨敗していたことから距離不安が囁かれていた。
しかし、岩田康騎手は積極果敢にハナを切る競馬で2着。勝ったカフェファラオには完敗だったものの、見事、距離不安を跳ね返した経緯がある。マスコミ嫌いで有名な岩田康騎手だが、毛嫌いする理由はこういうところなのだろう。
だが、岩田康騎手の“暴走”は、これで終わらなかったようだ。
記者曰く、勝利騎手インタビューも終わりに差し掛かった頃、ファンに向けてメッセージを求められた岩田康騎手は「全国の皆さん、炎上の岩田です」と爆弾発言。「すんません、インタビューで炎上みたいなことばっかり」と報道陣を笑わせたそうだが、さすがにこの辺りはJRAからカットされてしまったようだ。
「この日は15時35分発走の阪神大賞典(G2)、15時45分発走のスプリングSと10分間隔で2つの重賞が行われました。
ただレース終了後、間もなくJRAの公式HPに阪神大賞典の和田竜二騎手の勝利騎手インタビューがアップされたことに対して、岩田康騎手のスプリングSのインタビューが公開されたのは、その約1時間以上も後のこと……。色々とマズイ発言もあったようですし、JRA側も編集作業が大変だったのではないでしょうか(苦笑)」(別の記者)
積極果敢な勝ちに行く騎乗に、勝利騎手インタビューでは独特な“岩田節”でファンから人気を醸している岩田康騎手。だが、大レースを勝てば勝つほどJRAは手を焼くことになるのかもしれない……。
(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。