JRAキタサンブラック×サトノダイヤモンド「遅れてきた大物」が8馬身差の圧勝劇! 高松宮記念(G1)の約1時間前に中京競馬場を包んだ衝撃
27日、高松宮記念(G1)が行われる約1時間前の中京競馬場が、どよめきに包まれた。9Rの大寒桜賞(1勝クラス)に出走したブラックブロッサム(牡3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)が8馬身差で圧勝したのだ。
8頭立てで行われた芝2200mのレース。3番手を進んだブラックブロッサムは、4コーナーで逃げた1番人気のメイショウゲキリンをあっさりパスして先頭へ。食い下がるフェーングロッテンを振り切ると、そこからは独壇場。最後は後方から追い上げた2着サンライズエースに8馬身をつける圧勝劇だった。
「凄いレースでしたね。レース序盤から、アスクオンディープとメイショウゲキリンがやりあったこともあって縦長の展開。この日の中京は前日の雨の影響で重馬場でしたが、1000m通過が60.7秒とかなりタフな流れになりました。
最後はブラックブロッサムが2着に8馬身をつける結果になりましたが、逃げたアスクオンディープも含め2頭がタイムオーバーになる衝撃的なレース。各馬が苦しくなる中で、後続をぶっちぎった勝ち馬のスタミナは世代でも屈指だと思います。日本ダービー(G1)はもちろん、菊花賞(G1)も意識したい有望株だと思います」(競馬記者)
実際に、ブラックブロッサムが勝ち上がった大寒桜賞は、ちょっとした出世レースとして知られている。
2012年の勝ち馬トーセンホマレボシが京都新聞杯(G2)を勝って、日本ダービーでも3着に好走して以降、10年で6頭が日本ダービーもしくは菊花賞へ駒を進めている。
特に日本ダービーの前哨戦と相性が良く、京都新聞杯と青葉賞(G2)で【2.3.3.2】という成績は抜群だ。まだ1勝クラスを勝ち上がったばかりのブラックブロッサムだが、日本ダービー出走に大きく近づいたといえるだろう。
その一方、菊花賞での活躍を期待するのは、大人気競馬アプリ『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)のファンかもしれない。
「ブラックブロッサムの父キタサンブラックは、2015年の菊花賞馬で言わずと知れたG1・7勝の国民的スターホースでした。種牡馬としても順調で、初年度産駒から今年の皐月賞で主役になりそうなイクイノックスを輩出しています。
また、キタサンブラックが勝った翌年に菊花賞を制したのがサトノダイヤモンド。本馬はディープインパクト産駒でしたが、母父Orpenという点はブラックブロッサムと同じです。この2頭は有馬記念で人気を分け合い、クビ差の激闘を繰り広げた間柄でした。
『ウマ娘』でも仲のいいライバルとして描かれており、この日もSNSなどで書き込みがありましたが、ブラックブロッサムは今後ますます『ウマ娘』ファンから注目される存在になるかもしれませんね」(競馬誌ライター)
「緩さもあるので完成はまだ先ですが、ここからどれだけ成長していくか。大きいところを狙える馬だと思います」
レース後、横山武騎手にそう今後の期待をかけられたブラックブロッサムは、これでデビュー2連勝。遅れてきた大物が、春のクラシックを見据える。
(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。