昨年「疑惑のスーパーレコード」を生んだ高松宮記念(G1)を検証。推測される超高速馬場の「原因」と今年の「影響」は?
週末の26日に開催される高松宮記念(G1)。昨年は福永祐一騎手のビッグアーサーがレコードでG1 初制覇を成し遂げた快挙よりもむしろ、中京競馬場の「馬場状態」が大きな話題となった。
最初に「事」が起こったのは、高松宮記念の前日だった。10Rの岡崎特別(1000万下)で1200mのレコードがいきなり更新されたのだ。それも近年最強スプリンター・ロードカナロアの記録を大きく上回るものである。
レコード勝ちしたシゲルチャグチャグは、20戦してこれが3勝目の条件馬。あれ以後、一度も掲示板に載ることさえできず、再び降格して今年の岡崎特別に出走を予定している。当然ながら、2013年の年度代表馬ロードカナロアに敵う馬ではない。そんな馬が、極限のスピードを争うスプリント戦で、あっさりとレコードを更新したのだ。
昨年3月の中京競馬は雨で時計が掛かることもあったが、ほぼ例年通りの状態だった。しかし、高松宮記念を迎えた最終週で、馬場状況が激変。ありえないほどの高速馬場と化していた。
芝コース激変の”混乱”は高松宮記念当日も続いた。今度は7Rの500万下で、またも1200mのレコードが更新される。この時点で中京競馬場の芝コースのレコードが、完全に価値を失ったと述べても過言ではないだろう。
そしてその後、高松宮記念でビッグアーサーがこの週3度目となる1200mのレコードを更新して勝利したということだ。それもロードカナロアが持つ従来のレコードを1.4秒も更新する”怪時計”だ。
ちなみに最終週の中京競馬で芝1200mのレースは、先述した3鞍しかない。言い換えれば、最終週の中京競馬は「芝のスプリント戦が行われるたびに、レコードが塗り替えられ続けた」ということだ。
これに反応したのは、まず実際に高松宮記念で騎乗した騎手だった。