武豊アウォーディーがドバイワールドC(G1)の世界制覇に「色気」?連敗中も世界最強アロゲートが相手だからこそ目覚める「潜在能力」
「1年ほど前からずっとそうなんですが、アウォーディーは最後の直線で先頭に立つと遊んでしまう癖があるようです。いわゆるソラを使うというやつです。そのために主戦の武豊騎手もずっと抜け出すタイミングに気を使っています。
逆に言えば、それでも勝ってしまうほど、力は抜けているんです。ここ2戦は、その気難しさが、さらに表面化してしまった形。決して、力負けでないという陣営の話にも頷けますね」(競馬記者)
敗れたチャンピオンズCでは先頭に立つのが早すぎてサウンドトゥルーの強襲を許し、東京大賞典では一度先頭に立ってから伸びてきたアポロケンタッキーに馬体を併せにいったものの、上手く併せ馬の形にならず、そこでレースをやめてしまったという。
このことからもポテンシャルこそ日本でもトップクラスにあるアウォーディーだが、精神面に大きな弱点を抱えているようだ。陣営は海外に行って環境が大きく変わることで精神的な変わり身がないかを期待している。
だが、逆にアロゲートという圧倒的な存在がいるからこそ、アウォーディーがここ2戦のように早めに先頭に立つシーンが生まれる可能性が極端に低くなることも、ある意味ではプラスか。
また、今年も出走予定馬を見渡した限り、かなりのハイペースになることが予想される。サバイバル的なペースになることで、遊ぶ余裕がなくなったアウォーディーがその真価を発揮する可能性もある。
「半弟のラニが米国三冠の内、2400mのベルモントSの成績が最も良かったように、天皇賞馬ヘヴンリーロマンスからくる母方の血は、かなりのスタミナを秘めています。この馬は父がジャングルポケットということでスタミナは充分。ハイペースの生き残り戦は、むしろ望むところといった感じではないでしょうか」(同)