JRA天皇賞・春(G1)ディープボンドが勝てば阪神タイガース「最下位」確定!? すでに壊滅的状況も「和田竜二の法則」がトドメの一撃か

和田竜二騎手

 1日、阪神競馬場で行われる天皇賞・春(G1)。今年の1番人気は昨年2着のディープボンド(牡5歳、栗東・大久保龍志厩舎)になりそうだが、鞍上の和田竜二騎手には2018年の宝塚記念以来のG1制覇が懸かった一戦となる。

 ちなみに和田竜騎手にとってはG1通算9勝目を狙う戦いとなるが、実は本騎手がG1を勝利した年は、プロ野球・阪神タイガースがペナントレースで最下位になってしまうジンクスがあることをご存じだろうか。

 まずは和田竜騎手が勝利したG1レースと、その年の阪神タイガースの成績を見てみよう。


和田竜二騎手のG1レース勝利

1999年 皐月賞
2000年 天皇賞・春、宝塚記念、天皇賞・秋、ジャパンC、有馬記念
2001年 天皇賞・春
2018年 宝塚記念

同年の阪神タイガース成績

1999年 最下位
2000年 最下位
2001年 最下位
2018年 最下位


 ちなみに1999年から2021年まで阪神タイガースは4度の最下位があるが、そのすべてが和田竜騎手がG1レースを勝利した年なのである。この成績には阪神ファンの悲鳴が聞こえてきそうだ。次に2022年、つまり今年の両者を見てみよう。

 ご存じのように今週行われる天皇賞・春に、和田竜騎手はディープボンドとのコンビで出走する。同馬は昨年の天皇賞・春と有馬記念(G1)で2着に好走し、前哨戦の阪神大賞典(G2)は2連覇中という実力馬。ここは上位人気が確実で、勝利に最も近い存在と言えるだろう。

 そして阪神タイガースの成績を見てみると、優勝候補と言われた今年は開幕からプロ野球(セ・リーグ)記録となる9連敗を喫するなど不調……4月26日時点で5勝20敗1分という記録的な負け越しとなっている。このペースでいけば年間100敗以上という不名誉な記録も視野に入ってくるほどだ。

 まさに対照的な両者だが、この天皇賞・春は方や勝てば悲願のG1勝利、もう一方は最下位確定のサインという非情なレース。熱心な阪神ファンであれば、このジンクスを見てしまうとディープボンドは応援しにくい。

タイトルホルダー

 そこで白羽の矢が立つのは菊花賞馬のタイトルホルダーだ。

 ディープボンドと人気を分け合う実力馬であり、前哨戦の日経賞(G2)を勝利。ここでタイトルホルダーが勝利すれば、とりあえず現時点で阪神タイガースの最下位確定サインは点灯しない。もちろん和田竜騎手が他のG1レースを勝利する可能性は残されているが、それでも希望は残る。

 しかし実のところ、タイトルホルダーにも阪神タイガースにとって嫌なデータが存在する。同馬に騎乗する横山和生騎手はこれまでJRAの重賞レースを6勝しているが、重賞レースを勝利した日に行われた阪神タイガースの公式戦を見てみると、すべて負けているのである。


横山和生騎手JRA重賞勝利日の阪神タイガース公式戦成績

22/04/17 アンタレスS(G3)勝利→阪神負け
22/03/26 日経賞(G2)勝利→阪神負け
22/02/20 練習試合
21/07/18 試合無し
20/05/10 試合無し
18/08/12 エルムS(G3)勝利→阪神負け


 つまり横山和騎手が天皇賞・春を勝利することは、阪神タイガースが試合で負けることを示唆するサインであり、和田竜騎手のG1勝利とともに阪神タイガースのファンからすれば望ましくない。これもまた悩ましいといえよう。

 ちなみに和田竜騎手は関西出身で、今年新年の罰ゲームで日本ハムファイターズのBIGBOSSこと新庄剛志監督のコスプレ姿をSNSにアップしたり、落合博満元中日ドラゴンズ監督に関する本を読むなど野球に関心があるようだ。

 今年の天皇賞・春はディープボンドが勝つのか、それともタイトルホルダーが勝つのか。どちらが勝っても阪神ファンにとっては苦悩の日々が続きそうだ。

(文=仙谷コウタ)

<著者プロフィール>
 初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。

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