JRA【新潟大賞典(G3)展望】ステラリアVSアドマイヤハダルに注目! 裏開催のハンデ重賞は波乱の決着がお約束!?

ステラリア

 8日、新潟競馬場では荒れるハンデ重賞として知られる新潟大賞典(G3)が行われる。昨年は3→1→7番人気と、比較的平穏な決着だったが、過去10年で馬連万馬券は4回、馬単万馬券は7回も飛び出している。

 今年は斤量次第で伏兵陣の台頭も十分考えられるが、昨年のG1で好走した4歳馬2頭が人気を集めそうだ。

 昨年のエリザベス女王杯(G1)で2着に好走したステラリア(牝4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)は、忘れな草賞(L)以来、約1年ぶりの勝利を狙う。

 今年は始動戦の金鯱賞(G2)が11着、続く大阪杯(G1)は8着と、牡馬の一線級相手に完敗を喫した。ただし前走は上がり3位の末脚を繰り出し、勝ち馬とは0秒6差まで詰めている。直線の長い新潟外回りのG3戦なら主役を務める資格はあるだろう。

 毎年のことだが、このレースはNHKマイルC(G1)の裏開催。つまり主戦騎手の乗り替わりが発生しやすいレースである。

 ステラリアも例に漏れず、鞍上はテン乗りの川須栄彦騎手を予定している。デビュー13年目、30歳の川須騎手は、これまでJRAの重賞を6勝しているが、そのうち5勝をローカルで挙げている。新潟でも15年8月に関屋記念(G3)を制覇。今回はそれ以来の重賞Vのチャンスだ。

 川須騎手が今年挙げた勝利数は5勝(5月1日現在)にとどまっているが、先月20日には大井で行われた東京スプリント(G3)をシャマルで勝利と勢いもある。JRA400勝にリーチをかけてから約1か月。得意のローカル重賞で区切りの勝利を挙げられるか。

アドマイヤハダル 撮影:Ruriko.I

 アドマイヤハダル(牡4歳、栗東・大久保龍志厩舎)は、昨年若葉S(L)を勝利し、続く皐月賞(G1)でも3番人気で4着に好走した。タイトルホルダーやステラヴェローチェと差のない競馬をした実績はステラリアと双璧といえるだろう。

 日本ダービー(G1)では17着に大敗したが、半年ぶりのディセンバーS(L)で5着、さらに白富士S(L)で2着と惜しいレースが続いた。

 3番人気に支持された前走・中山記念(G2)は、パンサラッサの逃走劇を許し、人気通りの3着。その後は一息入れて、ローカル重賞で確勝を期す。

 若葉S後はなかなか勝ち切れないレースが続くが2400mのダービーを除けば常に上位争いに加わっている。距離2000mは通算「2-1-0-1」で、唯一の圏外が4着の皐月賞なら、ここでは無様なレースはできない。

 ステラリアと同じキズナ産駒のヤシャマル(牡5歳、美浦・尾形和幸厩舎)も重賞初勝利を狙う。

 昨年1月から5月にかけて自己条件を3連勝し、オープン入り。昇級後は苦戦が続いたが、前走の日経新春杯(G2)で9番人気ながら3着に好走し、重賞でも通用するところを見せた。

 テン乗りで3着に導いたのは、ベテランの松田大作騎手。ヤシャマルを重賞Vに導けるかどうかは斤量がカギとなりそう。前走後には「54kgも良い感じでした」と軽ハンデを味方につけたコメントを残していた。

 ここまで名前が挙がった3頭はいずれも重賞未勝利。そんななか、レッドガラン(牡7歳、栗東・安田隆行厩舎)は今年1月の中山金杯(G3)を制した実績が光る。

 2年前にも新潟大賞典に出走し、1番人気の支持を集めた実力馬。その時は差し届かずの6着に敗れたが、2年越しリベンジのチャンスが到来した。鞍上は2度目のコンビとなる岩田康誠騎手が務める。

 プレシャスブルー(牡8歳、美浦・相沢郁厩舎)は、42戦という豊富なキャリアを誇るディープインパクト産駒。6歳でオープン入りした後はローカルでたびたび穴をあけてきた。14番人気で3着に追い込んだ2年前の当レースもその一つ。相性抜群の勝浦正樹騎手とのコンビで今回も激走の可能性は十分ある。

 但馬S(3勝クラス)、大阪城S(L)を連勝中のアルサトワ(牡5歳、栗東・斉藤崇史厩舎)は、5勝中4勝を逃げ切っている。前走が2番手からの競馬で勝利した唯一のレース。スロー必至の新潟外回りで、前残りの展開になれば面白い。

 この他には、新潟で4戦4勝のアイコンテーラー(牝4歳、栗東・河内洋厩舎)、新潟で3戦2勝、2000mに限れば2戦2勝のトーセングラン(牡6歳、美浦・田村康仁厩舎)など、新潟巧者も虎視眈々と上位をうかがう。

 今年は波乱決着となるのか。NHKマイルC前に行われる新潟大賞典は15時20分に発走を予定している。

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