アロゲートの最強すぎる走りに世界が驚愕……日本勢苦戦も大魔神ヴィブロスがドバイターフ(G1)制覇!【ドバイワールドカップデー2017回顧】
結局、ジャックホブスがそのまま先頭でゴール。2着にも内から伸びたセブンスヘブンが入り、ポストポンドは3着まで追い上げるのが精一杯。サウンズオブアースは6着、ハイランドリールはまさかの最下位に沈んだ。
この結果に藤岡健一調教師は「馬場かな」と重くなっていた馬場に敗因を求め、ルメール騎手は良いポジションを取れたが伸びなかったと悔しがり、最後は「言い訳はしない」と完敗を認めた。
メインのドバイワールドカップ(G1)には日本からアポロケンタッキー(牡5歳、栗東・山内研二厩舎)、ゴールドドリーム(牡4歳、栗東・平田修厩舎)、アウォーディー(牡7歳、栗東・松永幹夫厩舎)、ラニ(牡4歳、栗東・松永幹夫厩舎)の豪華4頭の参戦となった。
だが一番の注目は、やはり世界王者アロゲート。日本の馬券発売でも単勝1.2倍の圧倒的な人気に推されており、世界中からの注目を一身に浴びていた。
ところがレースが始まると、大本命のアロゲートが出遅れるという意外な展開。最後方の位置取りとなり”波乱の空気”が色濃くなったが、勝負所の3、4コーナーで一気に追い上げると、最後の直線に入る頃には3番手まで浮上。そのまま逃げ粘るネオリシックとガンランナーをねじ伏せ、あっさりと世界の頂点に立った。
一方で日本勢ではアウォーディーの5着が最先着。世界の強豪相手の掲示板確保は価値ある。続いて道中で追走に苦しんでいたラニが最後に脚を伸ばして8着、アポロケンタッキーが9着に続き、ゴールドドリームは最下位の14着に沈んだ。
世界最高峰の舞台で繰り広げられた、あまりにも圧巻なアロゲートの走りには、またも世界中が驚愕させられたことだろう。これで怒涛の7連勝、果たしてこの馬を止める存在は現れるのだろうか。いずれにせよ日本勢にとっては、またも世界の力を見せつけられた格好となってしまった。
ドバイワールドカップこそ残念な結果だったものの、ドバイターフでヴィブロスが勝ち、UAEダービーでもエピカリスが惜しい2着と今年も存在感を見せつけた日本勢。だが、その一方で強豪馬が簡単に大敗してしまう海外遠征独特の難しさも再確認させられた。
果たして、今後の日本勢のさらなる海外進出はあるのだろうか。そして来年のドバイでは、また日本馬の強さを世界に知らしめたいと願うばかりである。