JRA【ヴィクトリアマイル(G1)予想】デアリングタクト、ソングライン、レシステンシアはまとめて切り! 混戦模様だから拾える「人気薄の実力馬」から高配当を狙う
今回は春のマイル女王決定戦、ヴィクトリアマイル(G1)を予想していく。
まずいつものように過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。
阪神牝馬S 13頭
大阪杯(G2時代含む)、中山牝馬S 各4頭
高松宮記念、福島牝馬S 各3頭
有馬記念、京都牝馬S、ダービー卿CT 各1頭
となっている。レース間隔がちょうどいいのと同じマイル戦ということで、阪神牝馬S(G2)からの転戦馬が最多。大阪杯からの転戦馬はヴィルシーナを除く3頭がすべてG1馬であり、ヴィルシーナもG1連対実績がある馬だったので、該当馬は要注意か。
続いて人気順の成績を見てみる。
1番人気 3-2-0-5
2番人気 0-0-1-9
3番人気 0-1-1-8
4~6番人気 4-2-4-20
7~9番人気 2-1-2-25
10番人気以下 1-4-2-80
となっている。1番人気は連対率5割と信用できる数字だが、2番人気と3番人気がとにかく信用できない。実際、近5年でも2番人気と3番人気は馬券に絡んでいない。とにかく伏兵が台頭しやすいレースなので、人気薄の馬を吟味する必要がある。
これらを踏まえて「◎」はいきなり穴っぽいが4番マジックキャッスルとする。
前走は阪神牝馬S。出遅れて後方待機の形になったが、直線で上がり2番目の脚を見せて5着まで入ってきた。昨年夏のクイーンS(G3)で2着に入って以降、大敗続き。前走でやっと入着するまで調子が上向いてきたと言える。
重賞勝ちそのものは昨年の愛知杯(G3)のみだが、秋華賞(G1)2着を含む2着5回や昨年のこのレースで3着に入るなど、実力は牝馬の中でもトップクラスにある。後ろからの競馬が身上なので、切れる脚を発揮できれば好走している。陣営も終いに懸けるとコメントしており、状態も良さそうなので思い切って本命に推した。
さらに後押しするデータとして、リピーターの好走がある。
過去、このレースで連覇を飾った馬も含めて、3着以内に入ったリピーターの好走例が多い。12年1着、13年2着のホエールキャプチャ、13年14年を連覇したヴィルシーナ、14年3着、15年16年を連覇したストレイトガール、17年3着、18年1着のジュールポレール、19年1着、20年3着のノームコアが該当する。
今回のメンバーで、このデータに該当するのがマジックキャッスル1頭しかいないので、3着以内に好走する可能性は高いと見ている。
続く「○」は人気の一角だが、13番レイパパレを推す。
前走は大阪杯(G1)。終始3番手からの競馬で、前が止まったところから直線でよく粘ったが後ろから来た馬に交わされ2着に終わっている。
過去、本サイトの予想記事で幾度となく実力を低評価してきた本馬。だが、前走、前々走の走りは一定以上の評価をせざるを得ない。前が残る展開、潰れる展開のどちらでもよく粘って2着を確保し、タイムも非常に優秀なものだ。調子を落としていたときとは別馬のようにさえ映る。
加えて、上で触れた「前走大阪杯の好走条件」に見事該当する。G1を勝った実績を持って前走大阪杯を走り、このレースに臨んでいるので、データ的に好走する可能性は非常に高い。
「▲」は人気薄になっているが16番デゼルを挙げる。
前走は阪神牝馬S。中団につけて直線よく伸びてきたが、前にいた2頭を交わせず3着となった。
2走前の愛知杯でも他馬より重い斤量を背負いながら3着と好走しており、いい時の状態に戻っていると言えそうだ。陣営も同様の見解を示しており「直線の長い東京なら一発も」というコメントを出している。加えてポタジェが大阪杯を勝ったことに触れて「人気のないときにG1を勝っている」と思わせぶりなコメントも出ている。
ここ2走の実績の割に評価が低く、休み明け2走目ということで走り頃とみてもいい。これを押さえない手はない。
「△」は5番ソダシ、14番アカイイト、18番テルツェットの3頭とする。
ソダシの前走はフェブラリーS(G1)。番手から競馬を進めて、直線でもよく粘ったが、後ろから交わされて3着となった。
この馬に関しては、データが通用しない規格外の馬と見ている。2走前のチャンピオンズC(G1)で大敗してやはり芝馬だと思いきや、フェブラリーSではダートの強豪が揃う中で3着に入ってみせたところで、再度の芝復帰がいきなりG1というあたり常識は通用しまい。
ただ、ひとつ言えそうなのは芝・ダート問わずマイルが適距離なのではないかということ。フェブラリーSを好走したのはマイルだからこそで、そう考えるとチャンピオンズCの大敗も納得できる。そのフェブラリーSも芝並みに速い時計で決着しており、時計勝負は大歓迎なはずだ。
ヴィクトリアマイルも高速決着することが多く、そういう意味ではソダシ向けと言える。人気にはなるだろうが、押さえないわけにはいくまい。
アカイイトの前走は大阪杯。後方待機で直線に懸けたが伸びることなく10着に大敗した。
今回のメンバーでG1馬が5頭いるうちの1頭ではあるが、前走の大敗もあって1頭だけ大きく人気を落としている。これも後方待機がハマるか否かという不安定さや、エリザベス女王杯(G1)の勝利がフロックであった、という認識が強いからだと考える。
しかし、今回は再び牝馬戦になって相対的に実力上位なのは確実。直線の長い東京に替わって、後方一気の脚質がハマる可能性は十分にある。さらに、レイパパレと同じく「前走大阪杯の法則」はこの馬も該当し、データの後押しも含めて押さえたい。
テルツェットの前走は中山牝馬S(G3)。スタートで接触があったこともあって最後方からの競馬になり、直線でも上がり最速の脚で伸びたものの届かず5着だった。
近走はマイルより長い距離を走っているが、一昨年夏から昨年春までで1600mを4連勝し、重賞制覇を飾っているなど適距離はマイル。
出遅れグセがあって後方からの競馬になることが多く、昨年のこのレースでも出遅れてリカバーできないまま大敗しているなど、スタートが鍵を握るところはあるが、アカイイト同様ハマれば勝ち負けするだけの実力はある。休み明け叩き2戦目のここで一発あっても不思議はない。
人気しそうな馬が多いのだが、1番デアリングタクト、2番ソングライン、7番レシステンシア、11番ファインルージュは切り。
デアリングタクトは世紀の一戦となった一昨年のジャパンC(G1)に敗れたことで、歯車が狂った感がある。牝馬限定戦に戻って、その実力のほどを再度見せつける可能性もなくはないが、故障からの長期休養明けでいきなり勝ち負けできるほどG1は甘くなかろう。
ソングラインはローテーションの問題で、海外遠征帰り初戦でG1は荷が重いだろう。実際、海外遠征からの好走例もないので躊躇なく切り。
レシステンシアは2歳から3歳春にかけてマイルで好走したので、マイラーという見方もされているようだが、実際のところ阪神JF(G1)を勝って以降マイルに勝ち星がない。勝ちきれないのはスプリント戦に参戦してからも同じだが、それでも重賞2勝を挙げており、本質はスプリンターなのではないか。実際、昨年のこのレースでも、この馬らしい競馬をして負けているので、牝馬限定戦なれどマイルは厳しいと見る。
ファインルージュはローテーションの問題で消し。秋華賞2着で、前走も2着と好走したことが評価されているのかもしれないが、特に前走は着差0.3秒の完敗と、いい内容の競馬だったとは言いにくい。加えて、鞍上のC.ルメール騎手も現状信用できないところがあり、減点材料ばかりが目に付く。
ということで、今回は4番、5番、13番、14番、16番、18番の6頭で3連複BOX20点勝負としたい。
人気確実な2頭を押さえているが、それ以外はいずれも穴馬扱い。ソダシやレイパパレが来ても残りの馬が入れば高配当は確実だ。
(文=トーラス神田)
<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。