JRAオークス(G1)レース途中「ぶった切りCM」に阿鼻叫喚!? テレビ局「レースのスタートを最優先」異例の謝罪コメントも「最優先したのはCM」の声
22日、東京競馬場で行われたオークス(G1)は、3番人気のスターズオンアース(牝3歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)が優勝。C.ルメール騎手の好騎乗に導かれ、史上16頭目となる牝馬2冠を達成した。
今年のオークスは東西から9頭ずつが出走。関東馬と関西馬が真正面からぶつかり合う様相を呈していた。ところが、関西馬のサウンドビバーチェがレース前に放馬、出走取消となったことがで関西の勢いにケチが付き始めたか……。
思わぬ放馬による発走時間の遅延は、テレビの前で観戦していた競馬ファン、とりわけ西日本在住のファンに多大な影響を与えたようだ。
「発走時刻が遅れたことで中継を民放で見ていたファンの中には、最後までレースを見られなかった人もいたようですね。ファンファーレが鳴り響いたのが15時52分頃だったと思いますが、放送枠が定められている民放の中継は16時前まで。ギリギリでも放送できればと思っていたのですが……」(競馬誌ライターA)
放馬の影響で発走時刻が約15分遅れた今年のオークス。フジテレビ制作の『みんなのKEIBA』の視聴者、つまり東日本に在住の多くのファンはなんとかレースを見届けることができたようだ。
一方で想定外の“放送事故”を目撃する羽目になったのが西日本在住のファンだ。この日の関西は中京競馬場の開催だったため、『競馬BEAT』の制作はフジテレビ系列の東海テレビが担っていた。
「東西でタイムテーブルが微妙に違ったのでしょうか。『競馬BEAT』ではレースの山場に差し掛かった3コーナーあたりで、なんと放送をぶった切ってCMに入ってしまいました。
まさかの事態にあっけにとられ、手元にあったラジオをつけましたが、ゴールには間に合わず。CM明けに数秒間の提供クレジットの放送がありましたが、そのバックグラウンドでゴールの場面が映っていましたね……」(関西圏に住む別のライター)
不可抗力とはいえ、今回の“放送事故”を受けネット上では「放馬後に馬体検査あるなんてわかりきってんねんから、そのタイミングでCM入れときゃええのに」、「提供読み上げの後ろでゴールとか、すげー内容」など阿鼻叫喚のツイートが飛び交った。
中には「オークスCMでぶった切りの件、カンテレと東海テレビ、どっちに苦情入れればええんや」と怒り心頭のファンもいたが、「NHKBSに救われた」という冷静なファンの声もあった。
「この日はフジ系列以外にNHKもBS放送でオークスの生中継をしていました。それを知っていた関西圏のファンは即座にチャンネルを切り替えられたと思います。逆にそれを知らず、途方に暮れたファンも多かったかもしれません」(競馬誌ライターA)
レース後、『競馬BEAT』を制作した東海テレビは「最初から最後までレースの放送をお伝えできなかったことをお詫び申し上げます」と異例のコメントを発表。「現場では、競馬ファンの方にレースのスタートをお見せすることを最優先し、結果としてレース発走後にCMを入れることになってしまいました。エンドロールの20秒間にゴールシーンのVTRを入れるのが精一杯でした」としている。
ただ、納得がいかない一部のファンからは「言ってる意味が分からない」「最優先したのはスタートやなくて、CMやないか」と手厳しい声も……。
レースでは関東馬のスターズオンアースが並み居る関西の強豪馬を蹴散らしたが、関西の競馬ファンにとっても残念なレースとなってしまった。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。