JRA C.ルメール、川田将雅、福永祐一より狙いたい「梅雨男」!? 6月突入で“大暴れ”の予感……
6日、気象庁は関東甲信地方の梅雨入りを発表。全国的にも、まもなく梅雨本番を迎えそうな気配だ。
平年7月の中旬くらいまで続くこの梅雨シーズンは当然ながら雨の日が多く、競馬においても道悪馬場になることが日常茶飯事。瞬発力を武器にする馬にとっては、泥んこ馬場にキレを削がれて苦戦を強いられるなんてことは何ら珍しくない光景となる。
日本では1年間で最も雨の日が多い6月に行われる宝塚記念(G1)においても過去10年、良馬場以外で行われたことが実に4度もあり、この時期の悪天候がもたらす馬場への影響を改めて感じ取れる。
じめじめに強いのは、あの曲者騎手?
そんな梅雨でもあるこの6月に滅法強いのが田辺裕信騎手だ。
■直近3年間(2019年~2021年)の田辺騎手の全成績
「227-219-196-1365/2007」勝率11.3%、複勝率32.0%
単勝回収率78%、複勝回収率82%
6月のみの成績
「26-16-15-97/154」勝率16.9%、複勝率37.0%
単勝回収率121%、複勝回収率118%
上記の通り、令和に入った直近3年間の全体と6月の成績の差は歴然。同騎手の場合、他の月と比較してみても勝率が最も高いのがこの6月なのだ。
また、勝率16.9%という数字は、騎乗回数150回を超える騎手の中では、第1位のC.ルメール騎手(28.4%)、第2位の川田将雅騎手(26.9%)、第3位の福永祐一騎手(17.8%)に次ぐ第4位の好成績。6月に限れば、昨年の全国リーディングで15位の田辺騎手が“ビッグスリー”に迫る変貌を遂げている。
さらに、勝率トップ10の中で単勝、複勝ともに回収率が100%を超えている唯一の騎手である点も決して見逃せない。芝ダート問わず馬場状態が稍重以上の道悪であった場合は、単勝回収率158%、複勝回収率123%とさらに数字が跳ね上がる。馬場が渋れば、騎乗馬の人気に関わらず買い要素の強いジョッキーといえる。
振り返れば、重賞でも福島競馬場で行われた2019年のラジオNIKKEI賞(G3)を、不良馬場のなかブレイキングドーンで豪快な差し切り勝ちを決めたことは、まだ印象に残っている競馬ファンもいるはずだ。
「6月」「道悪」「田辺」の3点セットは今後も覚えておいて損はないだろう。
今年も6月に入り、先週5日に行われた安田記念(G1)では1番人気のイルーシヴパンサーに騎乗するも、最後の直線でスムーズさを欠いて不完全燃焼の8着に終わった同騎手。だが、それでも2勝を挙げるなど、その勝負強さが健在だ。
今週末に東京競馬場で行われる土曜のジューンS(3勝クラス)では芝稍重以上の道悪では複勝率100%のボーンジーニアス、日曜のエプソムC(G3)では芝稍重で勝利経験のあるトーセングランと、いずれも人気薄想定の道悪巧者に騎乗する田辺騎手。
土日の東京は雨予報で、少なからず馬場にも影響がありそう。天気を味方に令和の「梅雨男」の大暴れに警戒が必要だ。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?