JRA「弾けました」低評価を覆す豪脚一閃で先行勢を一掃! 宝塚記念(G1)激走、故・岡田繁幸さん素質見抜いた「逆輸入」種牡馬にブレイクの予感
26日、東京競馬場の5Rに行われた2歳新馬戦(芝1600m)は、木幡巧也騎手の7番人気ミシシッピテソーロ(牝2歳、美浦・畠山吉宏厩舎)が優勝。単勝26.2倍の低評価を覆す見事なデビューVを決めた。
16頭によって争われたレース。ミシシッピテソーロはスタートで2馬身ほど出遅れたが、すぐに盛り返して中団馬群の後ろを追走。折り合い面で難しい部分を見せることもなく、4コーナーを10番手で通過する。
直線入り口で外に持ち出されてスパートを開始すると、馬場の六分どころから豪脚を披露。メンバー中最速となる上がり3ハロン34秒1の末脚で、先行勢をまとめて一掃した。
「出負けした際には冷や汗をかきましたが、上手くリカバリーすると直線はバネが利いたいい走りでした。勝ちタイムの1分35秒7も、4日の新馬を勝ったノッキングポイントにこそ0秒4後れを取るものの、優秀な時計だったと思います。
ちなみに本馬は2019年のヴィクトリアマイル(G1)で6着に健闘したミエノサクシードの半妹にあたります。今後もマイルから上の距離で活躍が期待できそうですね」(競馬誌ライター)
「逆輸入」種牡馬にブレイクの予感
レース後のSNSやネット掲示板にも「いい切れ味だった」「人気はなかったがかなり強そう」とのコメントが集まった。また中には「今年のダノンバラード産駒はすごいな」といった声も上がっていた。
2013年のAJCC(G2)を勝ったダノンバラードは、同年の宝塚記念(G1)でもゴールドシップの2着に激走。翌年のアンタレスS(G3)で14着の大敗を喫すると、それを最後に競走生活を退いた。
北海道の日高スタリオンステーションにスタッドインし、15年からは種牡馬生活をスタート。だが16年夏に海外へのトレードが決まったことで、17年はイタリア、翌18年にはイギリスでそれぞれ種付けを行っている。
そんなダノンバラードを日本へ買い戻したのが、マイネル軍団の元総帥で、昨年3月に惜しくもこの世を去った岡田繁幸さんだ。
所有馬ナイママの活躍により種牡馬ダノンバラードに可能性を感じた岡田さんは、海外の繋養先と交渉して購入にこぎつけることに成功。逆輸入されたダノンバラードは再び日本で供用されることになった。
「日本復帰が決まったダノンバラードはビッグレッドファームに入厩すると、19年には108頭の繁殖牝馬に種付け。20年に生まれた現2歳が再供用されてから最初の世代になります。
ちなみにここまで6頭がデビューすると4頭が3着以内に入っており、先週は16頭立てのシンガリ人気だったグラニットが三連単300万円超えの大波乱を演出しました。これからも同産駒は2歳戦で猛威を振るうかもしれませんね」(同)
なおミシシッピテソーロの木幡巧騎手はレース後、「追ってから伸びるか不安でしたが直線で弾けました。センスが良いのでいろんなレースを試してみたいです」とコメント。果たして次走はどのような競馬を見せてくれるだろうか。
7番人気だった本馬を始め、ここまで2歳戦で馬券に絡んだダノンバラード産駒は全てが5番人気以下でもある。馬券的にも妙味十分の同産駒を今後も注目しておきたい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。