JRA買ってはいけない「地雷」馬券!? 現在34連敗中…人は何故、七夕賞で「枠連7-7」を買ってしまうのか。衝撃の“大損”オッズがこちら
馬券を買う上でのセオリーとして古くから「ゾロ目は『枠連』を買え」という鉄則がある。
通常「枠連のゾロ目」は「該当する馬連」よりも配当的に得する場合が多い。仮にメリットが薄くとも、該当する馬連の配当を下回ることはまずない。だからこそ「ゾロ目は『枠連』を買え」は鉄則であり、セオリーといえた。
しかし、最近はインターネット投票が浸透し、中でも自分の買い目のオッズを確認しながら馬券を購入できる「オッズ投票」を利用するファンも増えているようだ。そのため、上記のセオリーが必ず通用するとは言えない状況になっている。
例えば、先週3日の福島最終レースは枠連5-5のゾロ目決着だったが、枠連5-5・馬連9-10ともに4770円と、まったく同じ配当となった。それどころか枠連8-8で決まった同5Rに至っては枠連8-8が5740円、馬連12-13が8250円と枠連を買った方が損な結果に……。
13頭立てだったので8枠は2頭しか該当しなかったが、セオリーに従ったものの、結果を見てガッカリしたファンもいたかもしれない。今はセオリーに捕らわれず、「しっかりオッズを確認して馬券を購入すべき」という教訓のようなレースだった。
絶対に買ってはいけない「地雷」馬券!?
その上で、今週特に注意したいのが七夕賞(G3)である。下記は七夕賞過去10年の「枠連7-7のゾロ目」と、それに「該当する馬連」のオッズだ。まずはご覧いただきたい。
枠連7-7 該当馬連
2021 52.1 149.7
2020 43.7 92.2
2019 23.2 53.1
2018 36.1 98.5
2017 45.5 165.8
2016 79.8 236.6
2015 102.8 438.5
2014 101.4 427.8
2013 26.5 98.6
2012 66.2 283.8
上記の通り、七夕賞の過去10年で「枠連7-7」を購入して、該当馬連よりも高いオッズがついた……つまりは“お得な状況”になったことは一度もない。それどころか、すべて馬連のオッズの半分以下であり、特に2015年、14年、12年に至っては馬連の1/4以下という悲惨なオッズになっている。
また、近年の代表格が11年前の2011年。当時の枠連7-7が140.8倍に対して、該当馬連が863倍……。七夕賞の枠連7-7はオッズ上、完全に“地雷”というわけだ。
一体なぜ、七夕賞の枠連7-7が異様に売れるのか。言うまでもないことだが、それは七夕が7月7日であることに尽きる。
人は時として……いや、案外そういった理論の枠から外れた“迷信染みた馬券”を買うことが好きなのだ。皆さんの周りにも、ひたすら自分や家族の誕生日馬券を買い続けている人がいるのではないだろうか。
また、この七夕賞の枠連7-7を「絶対に買ってはいけない」と言う理由は、もう1つある。とにかく当たらないのだ。
1965年に誕生し、今年で58回を迎える七夕賞だが、ロマンチックなレース名にもかかわらず、実際に「枠連7-7」で決着したのは1986年ただ一度だけ。以降、9頭立てで7枠のゾロ目の発売がなかった1997年を除けば、現在34回連続で不的中となっている。
今年の7枠には13番にプリマヴィスタ、14番にトーラスジェミニが入った。想定ではどちらも人気薄で、もし枠連7-7で決まれば万馬券は確実だろう。だが、過去の傾向では最終的なオッズが大きいほど、枠連7-7と該当馬連のオッズに大きな差が生まれている。
せっかくの歓喜の瞬間を台無しにしないためにも……。プリマヴィスタとトーラスジェミニの組み合わせは「馬連」を買うことを強くオススメしておきたい。
(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。