M.デムーロ「トホホ」な小倉遠征…加害者となった1時間後に被害者へ
24日、小倉競馬場で行われた中京記念(G3)は6番人気ベレヌスが優勝。主戦の西村淳也騎手に導かれ、3度目の重賞挑戦で初の戴冠となった。
「いつも通り良いスタートを決めてくれて、楽にハナへ行くことができました」
レース後にそう振り返った鞍上の言葉通り、外目の14番枠から躊躇なくハナを奪ったことが好結果に結び付いた。過去にも好走歴のある夏の小倉開催で、マイペースに持ち込み鮮やかな逃げ切りを決めた。
その一方で、2番人気に支持されたミスニューヨーク(牝5、栗東・杉山晴紀厩舎)は追い込み届かず4着。レース後、鞍上のM.デムーロ騎手は「最後は挟まっていた」と直線の不利を悔やんだ。
道中で中団内目を追走していたミスニューヨークは、4コーナーにかけて徐々に外に持ち出しながら最後の直線へ。前にいたファルコニアを交わせるかどうかというところに、外から追い込んできたカテドラルに被される不利に遭う。
最終的には4着となり3着のファルコニアに1馬身1/4差をつけられたが、直線の不利がなければ2、3着争いももう少し際どかったかもしれない。のちに2着カテドラルに騎乗していた団野大成騎手には、JRAから「決勝線手前で内側に斜行した」ことにより戒告処分が下っており、後味の悪いレースとなってしまった。
また、デムーロ騎手にとっては、因果応報のような1日だったかもしれない。
「中京記念の1時間前に行われた9Rの雲仙特別(2勝クラス)で1番人気ブレスレスリーに騎乗していたデムーロ騎手は、4コーナーですぐ外を走っていたアルトシュタットに何度も接触し、鞍上の岩田望来騎手がバランスを崩す場面がありました。
それによりデムーロ騎手は、JRAから『4コーナーで外側に斜行した』として過怠金10万円の制裁を受けています。その後の中京記念では今度は逆に不利を受ける被害者となり、手痛いしっぺ返しがきたといいましょうか……。色々とついてない日曜日でしたね」(競馬誌ライター)
普段は福島を主戦場に置いているデムーロ騎手だが、この日は1日限りの小倉遠征。9Rでは自らの斜行により過怠金の制裁を受け、中京記念では逆に斜行の不利に泣いて4着に敗れるなど苦い1日となってしまった。
また、先月には函館スプリントS(G3)で5番人気プルパレイに騎乗するため函館へ遠征したものの、まさかのブービー負け。つい1週前にも、函館記念(G3)で1番人気マイネルウィルトスに騎乗するため再び函館に飛んだが、ハヤヤッコに屈する2着と上位人気馬で思うような結果を出せない日々が続いている。
福島開催が終わり例年通りなら新潟開催を主戦場に置くデムーロ騎手だが、9月の札幌2歳S(G3)に出走予定のシャンドゥレールをはじめ、今後も何度か遠征することが予想される。次こそは「トホホ」ではなく「ワハハ」となるような遠征にしてほしいと願うばかりだ。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?