パンサラッサ札幌記念「参戦」で仁義なきハナ争いが勃発!?

パンサラッサ 撮影:Ruriko.I

 強豪集う札幌記念(G2)で仁義なきハナ争いは勃発するか――。

 27日、Twitterのトレンドに突如「パンサラッサ」が登場した。その理由は同馬を所有する広尾レースが、本馬について公式ホームページ上に「次走は札幌記念を目標に」と記載したためだ。

 パンサラッサ(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎)といえば、昨秋から“テンから飛ばす”逃げ馬に脚質を転換。それ以降は今春のドバイターフ(G1)でロードノースと同着優勝するなど、距離2000m以下では4戦4勝と好成績を残している。

 脚質転換後に敗れたのは2500mの有馬記念(G1)と、先月行われた2200mの宝塚記念(G1)の両グランプリだけ。小回りの札幌2000mが舞台なら、2月の中山記念(G2)の再現は十分可能だろう。

 ただし、来月21日に行われる札幌記念には、強力な逃げ馬がすでに参戦を表明している。それがジャックドール(牡4歳、栗東・藤岡健一厩舎)である。

 デビューから一貫して芝2000mだけを使われてきたジャックドール。昨年9月に1勝クラスを突破すると、10月の2勝クラスから前走まで5戦連続で逃げの手を打ち、うち4戦で勝利を挙げている。

 逃げた直近の5戦で唯一後塵を拝したのが、前走の大阪杯(G1)だった。5連勝中の勢いを買われ、エフフォーリアに次ぐ2番人気に支持されたジャックドール。ハナを奪ったところまでは良かったが、2番手を追走したアフリカンゴールドに執拗にマークされると、直線で自慢の粘り腰を発揮できず5着に敗れた。

 ジャックドール陣営は、すでに次の大目標を天皇賞・秋(G1)に設定。本番まで十分に間隔が取れる札幌記念をたたき台に選んできた。今回はあくまでも本番(天皇賞・秋)に向けた試走と捉えれば、パンサラッサの参戦も相まって2番手からの競馬を試す可能性もありそうだが……。

「5戦連続で逃げているジャックドールと、6戦連続で逃げているパンサラッサ。お互いに型を貫くなら、激しいハナ争いになるのは避けられないでしょう。枠順次第のところはありますが、ジャックドールは先を見据えて控える競馬を試してくる可能性が高いとみています」(競馬誌ライター)

 もしジャックドールが控えたとしても、他にも逃げて結果を残している馬がそろっているのが今年の札幌記念の特徴だ。大阪杯でジャックドールを徹底マークしたアフリカンゴールドは京都記念(G2)を逃げ切っており、昨年の宝塚記念で2着に逃げ粘ったユニコーンライオンもスタンバイしている。

 もちろん札幌記念の注目ポイントはハナ争いだけにとどまらない。本記事でも既報のとおり、ソダシとハヤヤッコの白毛対決に加え、G1ウイナーのグローリーヴェイズ、ユーバーレーベン、マカヒキなど豪華メンバーがそろう予定だ。パンサラッサとジャックドールによるハナ争いは数多い話題の一つに過ぎない。

 日に日に注目度が増す今年の札幌記念。涼しいはずの北の大地も、この日だけは熱気ムンムンになることは間違いないだろう。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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