エルムS「便乗失敗」で痛恨の大敗…3年連続の法則で泣きを見た3着馬
7日、札幌競馬場で行われたエルムS(G3)は9番人気フルデプスリーダーが優勝。長崎の5歳馬が重賞初挑戦にして初制覇を飾った。
「横山武史騎手からいろいろ聞いて不安なく乗れました」
レース後、そうコメントしたのは鞍上の丹内祐次騎手だ。前走で手綱を取った横山武騎手が英国に遠征中とあって回ってきたチャンス。初騎乗ながら見事な手綱捌きで“代打ホームラン”を決めた。
9番人気→6番人気→2番人気とやや波乱の決着となったこのレース。単勝オッズも1番人気ブラッティーキッドが5.2倍、14頭立てのシンガリ人気だったバティスティーニさえも66.9倍と割れていたように、ファンにとっても難解なレースだったに違いない。
ところが、近年の同レースで起こっている「ある法則」に気付いていれば、馬券的中はいとも簡単だったのかもしれない。
「今年は9番人気のフルデプスリーダーが勝ち、6番人気のウェルドーンが2着でしたが、この2頭は先月のマリーンS(OP)でも1、2着だった馬。ちなみに3着のオメガレインボーも4着馬と前走マリーンS組が大活躍の結果でした。
ただ、実は昨年の勝ち馬スワーヴアラミスと2着オメガレインボーも、マリーンSで1、2着だった馬。マリーンS組どころか、その時の着順までそっくりそのままの結果ですから、この傾向を重視したファンにとって今年の9番人気→6番人気→2番人気は美味しい組み合わせだったでしょうね」(競馬誌ライター)
また、実は2年前の覇者タイムフライヤーも前走でマリーンSを勝利していたというから驚きだ。つまり、エルムSはこれで3年連続マリーンSを勝った馬が、そのまま1着になっている。さらにここ2年は2着馬もそのまま2着、今年に至っては4着馬が3着に繰り上がった格好だ。
「便乗失敗」で痛恨の大敗…
ただ、そんなマリーンS組の天下のようなレースで、思わぬ大敗を喫してしまったのがロードエクレール(牡4、美浦・斎藤誠厩舎)だ。
同馬は前走のマリーンSで、上述したフルデプスリーダーやウェルドーンに次ぐ3着。4着だったオメガレインボーが今回3着に入っていることからも、同等の好走があっても不思議なかったはずだ。
だが、結果は悔しいブービーという散々なものだった。
「ここ4戦すべて馬券圏内と好調だったロードエクレールですが、同時に4戦連続でハナに立っているように、砂を被らずスムーズな競馬が出来れば抜群の安定感のある馬です。
ただ、今回の1枠1番は逃げ馬にとって絶好の枠ですが、もしスタートで後手を踏むようだと途端に馬群に包まれて厳しくなる諸刃の枠。今回は隣にいたアイオライトが抜群のスタートを決めたことで一気に窮地へ……あっという間に前に入られて万事休すといった感じになってしまいました」(競馬誌ライター)
ライターの言葉通り、アイオライトにハナを叩かれてしまったロードエクレールは自分の形に持ち込めずに13着に大敗……。ここ4走「1-1-1-1」だった通過順位が「6-7-10-11」となったことが苦戦ぶりを如実に物語っている。
前走の結果からも十分にチャンスがあったはずのロードエクレールだが、マリーンS上位馬の中では唯一泣きを見る結果に……。今回は、ほろ苦いJRA重賞初挑戦となってしまった。