横山武史「大絶賛」の復活V!大器ドゥラドーレスが本領発揮の巻き返し
誤算続きとなったよもやの敗戦から、ようやく軌道修正に成功した。
14日に札幌競馬場で行われた10Rの藻岩山特別(2勝クラス)は、単勝オッズ1.5倍の断然人気に推されたドゥラドーレス(牡3、美浦・宮田敬介厩舎)が、2着馬に2馬身半の差をつける圧勝を飾った。
秋の飛躍に向けて負けられない一戦。賞金加算に成功したことで今後の選択肢も広がってくるだろう。
春の大目標となった日本ダービー(G1)を視野に入れた毎日杯(G3)では、手綱を取った戸崎圭太騎手が、レース後に謝罪コメントを出したほど悔いの残る敗戦を喫した。一時は春全休という噂もあったが、確勝を期して出走したホンコンジョッキークラブT(2勝クラス)でも、戸崎騎手から乗り替わった福永祐一騎手がレースの流れに乗れず、よもやの3着に敗れていた。
大器が本領発揮の巻き返し
クラシック候補と期待されていた大器としては、これ以上敗戦を繰り返すわけにはいかなかったはずだ。消極的な競馬で惜敗の続いたドゥラドーレス陣営にとって、強気に乗る横山武史騎手との新コンビ結成は、大きな意味があったのではないか。
中団で脚を溜めたドゥラドーレスは、抜群の手応えで4コーナーを回ると、横一列に並んだ他馬の隙間から末脚一閃。エンジンが掛かってからは、後続を寄せ付けない走りで人気に応えた。
「能力はこのクラスで走っている馬ではない。想像よりもいい馬でした。クラスが上がった方がレースがしやすいと思います」
レースをそう振り返った横山武騎手の言葉からも、ドゥラドーレスのスケールの大きさが伝わってくる。次々に出てきた賛辞の言葉は、重賞でも戦える手応えを掴んだからこそかもしれない。
「これで残る1冠の菊花賞(G1)も視野に入ってきそうですが、夏場に休めなかったことは少し気掛かりですね。昨年の同レース勝ち馬ソーヴァリアントは、セントライト記念(G2)に出てきましたが、ドゥラドーレスはどうでしょうか。
スパっと切れる一瞬の脚はないタイプですが、長くいい脚を使えるのが持ち味です。ドゥラメンテの産駒は、昨年タイトルホルダーが菊花賞を制しており、母系も距離は持ちそうな雰囲気。この勢いで軌道に乗って欲しいですね」(競馬記者)
不完全燃焼に終わった近2戦の鬱憤を晴らすかのような今回の勝利。次走についての情報や鞍上はまだ不明だが、初騎乗で一発回答を出した横山武騎手との相性はよさそうだ。
志半ばで早世した僚馬グレートマジシャンの分まで、厩舎の看板馬として頑張って欲しいものである。