ラウダシオン初ダートは「27馬身差」大敗…M.デムーロは重賞「丸2か月」裏切り
25日、佐賀競馬場では交流重賞のサマーチャンピオン(G3、ダート1400m)が行われ、1番人気のシャマルが優勝。4月の東京スプリント競走(G3)に続く重賞2勝目を挙げた。
鞍上を務めた川須栄彦騎手はレース後、「自分としては『今回は負けられない』という気持ちで競馬に臨みました」と大一番を前にした心境を吐露。「前々走に続き、ここで重賞のタイトルをもう1つ増やすことができて嬉しく思います」とも語り、ホッと胸をなでおろした。
川須騎手といえば、先週日曜日の北九州記念(G3)をボンボヤージで制したばかり。5日間で重賞2勝目を挙げ、地元・九州でまさに大暴れの活躍を見せている。
そんな川須騎手とは対照的に波に乗れていないのが、サマーチャンピオンで4番人気ラウダシオン(牡5歳、栗東・斉藤崇史厩舎)に騎乗したM.デムーロ騎手だ。
2年前のNHKマイルC(G1)と昨年の京王杯SC(G2)を勝つなど、現役屈指の短距離実績を誇るラウダシオンだが、丸1年以上馬券に絡むことはできていない。今回は初のダート挑戦で変わり身も期待されたが……。
5枠6番から好スタートを決めたデムーロ騎手とラウダシオンは、最初のコーナーを先頭で通過。すぐにサクセスエナジーにハナを譲り、同馬をピッタリマークする絶好位の2番手から競馬を進めた。
M.デムーロ騎手は重賞「丸2か月」裏切る形に…
「芝で結果が出ていなかったので、陣営としてもダート適性を見たかったのでしょう。得意としている1400mの距離で思った以上に人気していましたが、シャマルから4秒6差(約27馬身差)の最下位という残念な結果に終わってしまいました。
道中は手応えも悪くなかったように映りましたが、4角手前で早々と脱落。レース後、管理する斉藤師は『ダートの走りは良かっただけに、初めての4つのコーナーが影響したのかも』とコメント。初ダートではなく、コーナー4つのコースに敗因を求めていました。
かつて初コンビでNHKマイルCを制し、その後も主戦を務めているデムーロ騎手にとってもダート替わりで期待も大きかったと思いますが、またも重賞で人気を裏切る形になってしまいました」(競馬記者)
記者が言うように、最近のデムーロ騎手は重賞では“裏切り”が続いている。ちょうど2か月前の宝塚記念(G1)で14番人気のマイネルファンロンを5着に導いたのを最後に、中央・地方の重賞では11戦連続で人気以上の好走例がない。
「宝塚記念の3日後にオメガパフュームで帝王賞(G1)に挑みましたが、2番人気で3着。その後も七夕賞(G3)が3番人気5着、函館記念(G3)は1番人気2着など、いずれも人気以下の結果に終わっています。
先週末の札幌記念(G2)も6番人気のユーバーレーベンで臨みましたが11着。人気はあくまで馬券購入者が作るもので人気=実力ではないものの、ファンの印象はあまりいいとは言えないでしょうね。8月は先週末までに2勝しか挙げられておらず、このままでは騎乗馬の数も質も落ちていく一方になるかもしれません」(同)
今週末は土日ともに新潟で騎乗を予定しているデムーロ騎手。土曜は6鞍の騎乗数を確保しているが、日曜は3鞍のみで、メインの新潟2歳S(G3)にも騎乗馬がいない。
一方、札幌競馬場でワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)が開催され、世界から一流騎手が集まる。デムーロ騎手は16年にJRA選抜として優勝を果たしているが、今年は蚊帳の外といった状態だ。
約1か月後に迫った秋のG1シーズン開幕を前に、何とかリズムをつかみたいところ。果たして裏切り続きのデムーロ騎手の反撃はなるか。今週末の活躍に期待したい。