今村聖奈「母似」美少女をデビューVにエスコートも…今後の課題は

今村聖奈騎手 撮影:Ruriko.I

「調教ではすごくおっとりした性格で、走る気がないのかなという感じでしたが……」

 10日、中京競馬場で行われた5R・2歳新馬(芝1600m、牝馬限定)は、スマートジェイナ(牝2歳、栗東・大久保龍志厩舎)が1番人気に応えて優勝。前出のコメントは、同馬の鞍上を務めたルーキー今村聖奈騎手がレース後に残したものである。

「(スマートジェイナは)走り出すと真面目。今日は返し馬に行く前から、気が入っている感じで、良い形で臨めました」と、調教の時とは一変し、実戦で走る気を出した同馬についてのコメントを続けた今村騎手。「(ローカル開催がない)2場開催の中で乗せていただき、感謝しています」とオーナーはじめ陣営への感謝の言葉も忘れなかった。

 同騎手はこれで自己最長に並ぶ7週連続勝利を飾り、JRA通算勝利数も「37」に伸ばした。

スマートジェイナの母は重賞4勝馬のスマートレイアー

 そんな今村騎手が「性格は真面目で、指示にも従順で、良い子です」と評したスマートジェイナは実はかなりの良血馬。母は主に武豊騎手とのコンビで息の長い活躍を見せた重賞4勝馬のスマートレイアーである。

 その初仔として2020年に生まれたスマートジェイナ。単勝1.5倍の圧倒的人気を背負って迎えたデビュー戦は、好スタートを切って好位2番手からの競馬。逃げ馬をピッタリとマークし、いつでも交わせる手応えで4角を迎えた。

 ここでスマートジェイナは何度か手前を替える“アクシデント”もあったようだが、直線では軽い肩ムチが何発か入るだけで勝利。着差(1馬身)以上に強い内容で、後続の追い上げを抑え込んだ。

 ただし、スマートジェイナには4kgの斤量特典があったことも見逃せない事実である。

「夏の小倉で今村騎手は、重賞(CBC賞)を勝利するなど大きく躍進。勝ち鞍も着実に伸ばしています。今週からは騎手が集中する2場開催になったため少し心配もありましたが、秋競馬の開幕週できっちり結果を出してくれましたね。スマートジェイナは442kgとやや小柄な馬だけに、他馬より4kg軽い50kgで騎乗できたことも有利に働いたと思います。

今後は牝馬限定重賞もしくは自己条件の特別競走に向かうことになるでしょう。もし今村騎手が引き続きスマートジェイナに騎乗するとなると、特別戦では斤量特典が受けられません。スマートジェイナにとっては、その辺が今後の課題となりそうですね」(競馬誌ライター)

 初戦の勝ちっぷりを見る限り、今後は阪神JF(G1)や桜花賞(G1)も陣営の視界に入ってくるかもしれない。4kgの斤量増で迎えることになるであろう次走は、まさに試金石となるだろう。

 母と同じ芦毛のスマートジェイナは見た目も母そっくり。その“美少女”ぶりはレース後、SNSなどでも話題になったようだ。いまや競馬界の女性騎手の代表格に躍り出ようとしている今村騎手とスマートジェイナの“美人コンビ”は、今後も話題を振りまいていくことになるのだろうか。

 母が叶えられなかった牝馬クラシックへ向けて、まずは次走の走りに注目が集まる。

中川大河

競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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