セントライト記念(G2)オニャンコポンの命運も左右!? 主戦・菅原明良の「固め打ち」に注目

オニャンコポン

 今週の中央競馬は2場×3日間の開催。19日の中山競馬場では、菊花賞トライアルのセントライト記念(G2)が行われる。

 ラスト一冠の切符をかけて、夏を越した3歳馬が集結。なかでも春のクラシック路線を歩んできた馬の再始動に注目が集まる中、日本ダービー(G1)以来の実戦に挑むのがオニャンコポン(牡3歳、美浦・小島茂之厩舎)だ。

 今からちょうど1年前、新馬戦に登場した時には馬名の方が話題になった同馬だが、その新馬戦を6番人気・単勝32.0倍で快勝すると、続く百日草特別も勝って2連勝。一躍世代の有力馬として頭角を現す。

 暮れのホープフルS(G1)は11着と敗れたが、年明けの京成杯(G3)では立ち直った姿を見せて重賞初制覇。その後は皐月賞(G1)で6着、日本ダービー(G1)は8着と、掲示板に載ることは叶わなかったが、堂々とクラシックロードを歩んできた。

 前走のダービーについて、管理する小島調教師は「ちょっと距離は長かったのか、最後は上位の馬とは力の差を感じた」と振り返りつつ、「外回りの2200mはすごく良いと思う」とし、2勝を挙げている中山コースと、前走からの距離短縮には好感を持っているようだ。

菅原明良騎手

 そんなオニャンコポンとデビューからコンビを組んでいるのが、4年目・21歳の菅原明良騎手だ。今年はすでに重賞で3勝を挙げており、57勝でリーディング11位と存在感を発揮している。昨年は75勝を挙げてリーディング11位だっただけに、今年は勝ち星においても、リーディングの順位においてもキャリアハイの更新に期待がかかる。

菅原明良騎手の「固め打ち」に注目

 そんな若きホープの今年の歩みを振り返った時、目を引くのが“連荘”の多さだ。

 今年1月8日の4Rで初勝利を掴んでから、その日のうちに3勝を積み上げる好スタートを切った菅原騎手。オニャンコポンとのコンビで京成杯を制した1月16日の週も、土日で2勝ずつ挙げて計4勝をマークしている。さらに、7月23日の福島では1日4勝の大暴れ。翌日も2勝を挙げる活躍で、週6勝を荒稼ぎした。

 直近でも、8月20日の新潟で7Rから10Rにかけて4連勝をマーク。9月4日の新潟でも9Rから11Rまで3連勝しており、その3つ目がカラテと挑んだ新潟記念(G3)だった。

 一度勢いに乗ると手が付けられない状態になるのが、菅原騎手の特徴であり大きな武器だ。

 “無双状態”を支えている要因として考えられるのが、馬場読みの巧みさだろう。先に取り上げた印象的な固め打ちを振り返ってみると、いずれも前日もしくは前週に同じコースで騎乗していたという共通点があった。

 勝利を掴むためには、馬の実力はもちろんのこと、その実力を最大限に引き出すような騎手のエスコートも必要不可欠。その点、今週は3日間開催となる中で、菅原明騎手は3日間すべて中山で騎乗。加えて、今開催の中山コースも先週日曜にすでに走っているというのは心強い限りだ。

 また、今週の騎乗数も土曜が9鞍、日曜は8鞍で、月曜も7鞍と、しっかり数を確保できているのも強調材料。今年の57勝のうち、コース別で最多の20勝を挙げている中山での大暴れに期待が膨らむ。

 思えば、カラテで新潟記念を制した際に「この夏は納得の行く競馬ではありませんでした。秋には納得の行く競馬ができるように努力したいと思います」と、悔しさを口にしていた21歳。

 そんな夏の課題を糧に、秋の中山で“菅原旋風”を巻き起こすことができるか。セントライト記念のオニャンコポンはもちろんのこと、土曜の平場から注視していきたい。

木場七也

29歳・右投右打。

本業は野球関係ながら土日は9時から17時までグリーンチャンネル固定の競馬狂。

ヘニーヒューズ産駒で天下を獲ることを夢見て一口馬主にも挑戦中。

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