今村聖奈「急ブレーキ」でG1も想定無し…、ライバル復活で苦戦の可能性も

今村聖奈騎手

 早くもフィナーレを迎える秋の中山開催。10月2日には芝1200mを舞台にスプリンターズS(G1)が行われる。

 今年はフルゲート16頭に対し、セントウルS(G2)を勝ったメイケイエールや、高松宮記念(G1)の覇者ナランフレグ、マイル路線から矛先を変えてきたシュネルマイスターなど、20頭のスピード自慢がエントリーを済ませた。

 そんな秋G1の開幕戦で騎乗馬未定なのが今村聖奈騎手だ。

 今年3月にデビューしたゴールデンルーキーは、8月20日にヤマニンウルスで中央・地方あわせて31勝目をあげ、G1の騎乗権利を獲得。これは福永祐一騎手、三浦皇成騎手に続く史上3位のスピード記録である。

 また今夏は、7月のCBC賞(G3)でテイエムスパーダとともに重賞初騎乗初Vを達成。ミカッテヨンデイイとのコンビでフェニックス賞(OP)も勝利するなど、新人ジョッキーとしては初となる小倉ターフ賞も受賞した。

今村聖奈騎手「急ブレーキ」

 しかし、先々週の3日間開催では、中京競馬場で計24鞍に騎乗したものの未勝利。8月20日から続いていたJRA開催日連続勝利記録も8でストップすることに。

 先週の中京競馬でも土日ともに0勝に終わっており、ここにきて41連敗とまさかの急ブレーキを見せている。

「先々週の3日間開催では、JRA女性騎手初となる8週連続勝利の記録もかかっていましたが、初日の1Rを単勝1.9倍のヨウシタンレイで6着に敗れるなど、いまいち波に乗り切れませんでしたね。

ちなみに今村騎手は以前も7週連続で勝利が途切れており、『頭の片隅に記録のことがあったのが、うまく乗れないレースが多かった』と話していました。前人未到への挑戦は、それほどプレッシャーがかかるということなのでしょう」(競馬誌ライター)

 なおG1初騎乗の最速記録は、三浦騎手が持っているデビューから218日。今村騎手はスプリンターズSに参戦すれば、これを上回る211日になることから、ネットなどでは記録更新を期待する声も多く上がっていた。

 しかし、現時点では騎乗予定馬がおらず、また先述のテイエムスパーダも国分恭介騎手とのコンビで出走を予定しているため、新記録の樹立はかなりむずかしい状況となっている。

 そんな今村騎手だが、もしかすると今後もうしばらくは苦戦が続くかもしれない。

岩田望来騎手

 先週24日、今村騎手と同じく小原靖博氏がエージェントを務める岩田望来騎手が、怪我から1ヶ月半ぶりにカムバック。夕月特別(2勝クラス)ではタガノフィナーレでいきなり逃げ切り勝ちを決めるなど、その存在をアピールした。

 復帰初日は1鞍のみだったが、翌日は5つのレースに騎乗。勝利こそ挙げられなかったものの、次週以降はさらに騎乗数を増やしていくことだろう。

「岩田望騎手は小原氏がエージェントを務めるグループ内において、福永騎手に次ぐセカンドドライバーのポジション。そのため、序列的に新人の今村騎手は、馬質が低下することも予想されます。

また、今年は10月10日まで2場開催のスケジュールが組まれているため、トップジョッキーに騎乗馬が集中する時期。今村騎手はもうしばらくの間、厳しい戦いが強いられることになるかもしれませんね」(同)

 今秋は短期の外国人ジョッキーたちも来日が報じられており、中央場所は激戦区になることが予想される。だが、10月15日から開幕する新潟開催なら、巻き返しも期待できるだろう。

 秋華賞(G1)で騎乗馬を確保できれば、福永騎手を抜く単独2位のG1初騎乗スピード記録を樹立する可能性も残されている。まずは今週末の開催で連敗にピリオド、3週間ぶりの白星をあげてくれることに期待したい。

冨樫某

キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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