藤田晋オーナーの世界的良血馬「大逸走デビュー」が称賛されたワケ
先月30日のオリコンの週間合算シングルランキングでNMB48の『好きだ虫』が見事1位を獲得。最新シングルが好調なスタートを切った。
4期生の川上千尋が初めてセンターを務めることが注目された今回、NMB48のセンターに代々引き継がれている「ゴールデンマイク」を新たなエースが手にするシーンはNMBファン必見。これで通算6作目の1位獲得となり、今後の売れ行きにも大きな注目が集まりそうだ。
その一方、競馬界のゴールデンマイク(牡2歳、栗東・森秀行調教師)は、意外な形で“ド派手デビュー”を飾ることとなってしまった。
昨年、キーンランド主催のセプテンバー・イヤリングセールで森調教師が落札したゴールデンマイクは、半兄に米G1・3勝のクラシックエンパイアがいる良血馬。父が米国史上2頭目の無敗三冠を成し遂げたジャスティファイということで、デビュー前から注目を集めていた存在だった。
しかし、ゴールデンマイクのデビュー戦は1コーナーでほぼ終わってしまった。
12頭立てのダート1800mのレース。大外枠からのスタートとなったゴールデンマイクは発馬こそ無難にこなしたものの、そこから大きく外に逸走してしまう。鞍上の岩田康誠騎手がなんとか立て直してレースに復帰しようとしたが、1コーナーに入ったところで本馬が首を大きく振って抵抗。そのままさらに外へ外へと“コースアウト”していった。
「他の馬と馬体を離してやや外寄りを進む12番ゴールデンマイク、1コーナーで大きく外側に行ってしまいました……。外ラチの近くまで行っています」
「大逸走デビュー」に称賛の声も…
あまり耳にしたことがない実況だが、大きくコースロスしてしまったゴールデンマイクは、前の集団から離れること約20馬身……。この時点では、絵に描いたような「終戦」と言わざるを得なかった。
だがレース後、ゴールデンマイクは一部のファンや識者から高評価を受けることになる。
「12番ゴールデンマイクは周回に復帰しましたが、隊列からは大きく外れて単独の最後方です」(レース実況)
繰り返しになるが、ゴールデンマイクのデビュー戦はこの時点でほぼ終わっている。しかし、岩田康騎手はレースを捨てていなかった。中継画面からも完全にフェードアウトする中、徐々に前との差を詰めると、最後の直線半ばで集団を射程圏へ。岩田康騎手のムチも空しく最後は力尽きたが、2頭を交わして10着でゴールしたのだ。
「スタートの時からイレ込んでいる様子でしたし、1コーナーで逸走した時には、さすがに『終わった』と思っていました。それからは失礼ながらまったく気にしていなかったのですが、最後の直線で一気に差を詰めてきた時には『え!? いつの間に(こんなところに)』とびっくりしました(笑)。
今回は課題が残る結果になってしまいましたが、あれだけのアクシデントがありながらも最後の直線でレースに加われたのは相当の力がある証拠。普通の馬なら、間違いなく最下位だったと思います。
場慣れする2戦目でメンタル面も変わってくるでしょうし、次は前走10着とは思えないほど人気を集めると思います。デビュー戦は残念でしたが、この馬を高評価している人は少なくないと思いますよ」(競馬記者)
この結果には、ネット上の競馬ファンもSNSや掲示板などで「あれだけやらかして最後レースしてるし」「まともだったら圧勝してたかも」「怪物の誕生だ」「最下位じゃないのがすごい」「ド派手なデビューになったな」など、3番人気で10着に敗れてしまった馬とは思えないほどの好評価。
中には、このレースを3馬身差で完勝したプラーヴィより「強いかも」という声もあったほどだった。
果たして、ゴールデンマイクは今度こそ“センター”を走ることができるだろうか。底知れない魅力と可能性を持った世界的良血馬のキャリアは始まったばかりだ。