新種牡馬リーディング1位の大物から「成功パターン」判明!? ウオッカ撃破の名牝一族から女王候補現る
1日、中山競馬場の5Rに行われた牝馬限定・2歳新馬戦(芝1600m)は、3番人気のクイーンオブソウル(牝2歳、美浦・林徹厩舎)がハナを奪うと、直線で後続に5馬身差をつけて圧勝した。
「ずっとリズムよく走れて、追い出してからも良かった。これからが楽しみです」
レース後、手綱を取った津村明秀騎手もやや興奮気味にコメント。カレンブーケドールなど活躍馬の背中を知るキャリア19年目の名手が、賛辞の言葉を並べたのも頷けるほどの強さだった。
フルゲート16頭の一戦。「ゲートのセンスが良かった」と津村騎手が振り返った通り、8枠15番から好スタートを決めて自然とハナへ。1000m通過を62秒1のスローペースに落として最後の直線に入る。
2馬身ほどだった後ろとの差が、残り200mを切るとグングンと拡大。外から追い上げてくる1番人気オルフェストなどを尻目に大楽勝のゴールだった。
「見た目どおり、非常に強い勝ち方でしたね。不利だと言われている中山マイルの外枠を克服したのも価値があるのではないでしょうか。
良馬場の勝ち時計1分36秒4はやや平凡にも映りますが、これはこの日の中山が直線向かい風だった影響もありそうです。逃げて上がり3ハロンをメンバー最速でまとめただけに、中身は文句なしでしょう」(競馬誌ライター)
レース後にはSNSやネット掲示板などにも「これは相当強いのでは」「また楽しみな牝馬が現れたな」「これからも追いかけてみたい」といった称賛のコメントが集まっている。
新種牡馬リーディングトップを快走するマインドユアビスケッツ
そんなクイーンオブソウルは、今年5月に開催された千葉サラブレッドセールにおいて、牝馬4位の価格となる3270万円(税抜)で取引された期待の1頭。父は新種牡馬のマインドユアビスケッツだ。
同産駒はこれで2歳世代10頭目の勝ち上がり。先週終了時点でサトノクラウンやリアルスティールなどを抑えて新種牡馬リーディングトップを快走するなど、非常に順調な滑り出しを見せている。
また母父ダイワメジャーの同産駒は、これで中央登録されている4頭が早くも全馬勝ち上がったことにもなった。この組み合わせは種牡馬マインドユアビスケッツの成功パターンといえるかもしれない。
「ちなみに他の3頭であるワタシダケドナニカ、フィンガークリック、マルカラピッドは未勝利戦での勝ち上がり。デビュー戦で白星を挙げたのは本馬のみです。
血統的には2008年のヴィクトリアマイル(G1)でウオッカを破ったエイジアンウインズと同じ一族でもあるため、これから大舞台での活躍も期待できるのではないでしょうか」(同)
なお管理する林師は「今後のことを考えると、芝のマイルで結果が出たのは大きい」とコメントしたことから、この先は暮れの阪神JF(G1)や来春の桜花賞(G1)が目標になってくると思われる。
現時点で次のレースはまだ決まっていないようだが、新たな女王候補が現れたたことだけは間違いなさそうだ。