スターズオンアース三冠達成に決定打!? 6頭中5頭に当てはまる約束された未来

スターズオンアース

 16日、阪神競馬場で行われる秋華賞(G1)は、牝馬の三冠目にあたる注目の一戦だ。過去、中央競馬では6頭の三冠牝馬が誕生しているが、今年は史上7頭目の戴冠を目指すスターズオンアース(牝3、美浦・高柳瑞樹厩舎)が出走を予定している。

 直近では、2年前にコントレイルとデアリングタクトが、史上初となる同年での無敗三冠を達成したことが記憶に新しい。三冠に王手をかけたスターズオンアースが勝利するようなら、史上7頭目の三冠牝馬として歴史に名を刻むだろう。

 オークスで春二冠を成功した後、両前脚の剥離骨折が判明するアクシデントに見舞われたものの、幸いにも症状は軽かった。美浦に帰厩した現在は、故障明けの不安を感じさせないほど順調に調整を続けてきた。

 重賞で勝ち切れない競馬を続けていたこともあってか、春G1では桜花賞が7番人気、オークスも3番人気と抜けた存在ではなかったが、ラスト一冠の秋華賞には主役として臨むことになる。

 勿論、まったく不安がない訳ではないが、これまで牝馬三冠に輝いた名馬たちの過去を振り返ると、スターズオンアースの三冠成功の決定打ともいえそうなデータが後押ししてくれそうだ。

 実は、春の二冠を制した牝馬が三冠に挑戦した場合、6頭中5頭が勝利しているのだ。エリザベス女王杯で三冠とされた時代には、「ベガはベガでもホクトベガ」という有名な実況で知られる波乱もあったのだが、1996年に創設された秋華賞がこの役割を担うようになってからは、より信頼できるデータとなった。以下は、秋華賞創設以降の牝馬三冠に挑戦した馬の一覧だ。

■秋華賞創設後、牝馬三冠に挑戦した春二冠馬の成績

2003年スティルインラブ(成功)
2009年ブエナビスタ ※秋華賞は2着入線→3着降着
2010年アパパネ(成功) ※オークスはサンテミリオンと同着優勝
2012年ジェンティルドンナ(成功)
2018年アーモンドアイ(成功)
2020年デアリングタクト(成功)

 ご覧いただいた通り、ブエナビスタのみレッドディザイアに三冠を阻止されているが、それ以外の5頭は無事に牝馬三冠を達成。確率にして約80%なのだから、ほぼ未来は約束されているといえそうな成功率ではないだろうか。

 加えて直近の三冠牝馬であるアーモンドアイ、デアリングタクトの2頭が、いずれもオークスからの直行で制したことも心強い。

 順調な臨戦過程で臨んだ両馬に対し、スターズオンアースが骨折したことは割引材料ではあるが、1週前と最終追い切りに騎乗したC.ルメール騎手も「トップコンディション」にあると上々のジャッジだった。

 唯一三冠挑戦に失敗したブエナビスタは、春二冠で接戦を繰り広げたレッドディザイアに逆転を許したとはいえ、スターズオンアースの場合はそこまで強力なライバルはいない。

 懸念があるとしたら、不振の目立つ今年のルメール騎手くらいだが、重賞連敗をストップしてくれた相手がオークスのスターズオンアースならむしろ好都合。あとは、人事を尽くして天命を待つのみだ。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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