【府中牝馬S(G2)予想】G1馬アカイイトは切り! 人気のソダシも押さえまで。レース傾向に合致する穴馬から高配当を

 今回はエリザベス女王杯(G1)を狙う馬や、マイル路線を歩む馬の重要なステップレースとなる府中牝馬S(G2)を予想していく。

 先週の振り返り。まず、サウジアラビアRC(G3)だが、グラニットとシルヴァーデュークの2着、3着は上等だったのだが、1着が切ったドルチェモア。正直なところドルチェモアのデビュー戦の成績を見る限り、これほど切れる脚で差せると思っていなかった。時計も見るべきところがなく切ったわけだが、なかなか強い競馬をした。

 毎日王冠(G2)はサリオス、ジャスティンカフェまでは予想の範疇だったが、3着がダノンザキッド。前走の関屋記念(G3)で大した競馬をしなかったのもあり、東京コースとの相性も取り立てて良くなかったので切ったのだが、東京スポーツ杯2歳S(当時G3)を勝っているところから、どうやら東京1800mはハマる何かがあるらしい。このレースはサリオスの強さだけが目立ったレースで、今後要注意だろう。

 そして、3日開催の最後を飾った京都大賞典(G2)だが、ボッケリーニが2着したのは予想するまでもないところだったが、1着はノーマークのヴェラアズール、3着は切ったウインマイティーで決着。ウインマイティーが牡馬混合戦で来るとは思わなかったが、実力よりもたまたま3番手にいた、くらいの雰囲気でむしろノーマークで外から飛んできたヴェラアズールの強さが印象に残った。馬場が悪かったので、鵜呑みにはできないが注目は必要か。

 予想に戻ろう。

 まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにする。
クイーンS 9頭
関屋記念 6頭
ヴィクトリアマイル、札幌記念、新潟記念、小倉日経OP(OP)、米子S(OP) 各2頭
安田記念、京成杯AH、長岡S(3勝クラス)、WASJ第2戦(3勝クラス)、海外遠征 各1頭
となっている。直近の牝馬限定重賞からの転戦馬が最多。レース間隔も適当で同距離ということもローテーションしやすいのだろう。G2戦ながら牝馬限定戦ということもあって、それほど格の高いレースからの臨戦はなく、かつ距離もマイルから2000mまでとわかりやすいので、ここを外れている馬は怪しいと見ていいだろう。

 続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 1-3-2-4
2番人気 0-2-3-5
3番人気 1-0-0-9
4~6番人気 5-4-1-20
7~9番人気 1-1-4-23
10番人気以下 2-0-0-48
となっている。上位人気からは勝ち馬が出にくいようだ。昨年、一昨年は上位人気馬が全部飛んでともに10万馬券の決着。近5年でも1番人気が2連対、2番人気が2着1回3着2回と信用しがたい。ここは中穴人気の馬から拾って軸に据えるのが手堅いだろう。7番人気以下になるとまた信用度が落ちるが、4年連続で来ているので人気薄でも検討は必要そうだ。


 これを踏まえて「◎」は穴っぽいところで3番ローザノワールとする。

 前走はクイーンS(G3)。内枠を利してハナに立ち、緩いペースを作り出す。直線でもよく粘ったが、ゴール前で後ろの2頭に差されて3着に終わった。

 6歳ということもありすでに31戦を消化しているが、正直なところ好走したレースがあまりに少なく、しかも良績が集中しているのがキャリア中盤まで主戦場だったダートでのもの。昨年の夏から本格的に芝一本に絞って出走し始め、2走前からようやく成果が出てきたという感じ。

 前走は枠順に恵まれた上に、馬場が前残り傾向だったことに助けられての3着だったかもしれないが、2走前のヴィクトリアマイル(G1)は逃げ馬有利というわけではなかった。結果的に番手を進んだレシステンシアにハナだけ及ばず4着となったが、G1の舞台で離した逃げを打った割に善戦したといえよう。

 このレースはなかなか前残りせず差し優勢の傾向があるが、それでも全く前が残らないわけではない。展開もあるだろうが、相応に実力のある馬が前で粘って3着までに入っている印象があり、今の本馬であれば前で粘りに粘って馬券に絡むことは可能だと見ている。さらに内枠を引いたのも有利に働く可能性がある。いい感じに人気もなさそうで、馬券妙味もあり積極的に押さえてみたい。


「○」は5番クリノプレミアムを挙げておく。

 前走は京成杯AH(G3)。番手から少しポジションを下げた中団で競馬を進め、直線に入ってもじわじわと伸びてきて後続とは大接戦になったが3着に食い込んだ。

 この馬は好不調の波がはっきりしているタイプ。現状は3月の中山牝馬S(G3)を勝ったあと、福島牝馬S(G3)で2着。2走前のヴィクトリアマイルは荷が重かったようで大敗しているが、休み明けの前走でも3着に入っているあたり好調はキープしていると見ていいだろう。

 また、この馬の強みと言えそうなのは展開に左右されず、どの位置からでも競馬できるところ。勝った中山牝馬Sは中団より後ろの位置で差して勝っているが、前走は前めの位置取りで好走。戦績を見ると逃げても勝っているレースがあるので、まさに展開不問と言えよう。

 近走で東京コースに良績がないのは若干気になるが、過去東京コースでも連対実績があるので問題はなかろう。こちらも人気がなさそうなので、押さえてみたい。

ソダシ 撮影:Ruriko.I

「▲」は人気の軸である2番ソダシとしたい。

 前走は札幌記念(G2)。前めにつけるいつもの競馬から4コーナー3番手まで押し上げてきたものの、直線で思ったより脚が伸びず5着に終わった。

 言わずと知れたアイドルホース。もちろんそれだけではなく、今回のメンバー中でもG1 3勝の実績は断然のトップである。昨年の札幌記念を勝利して距離の壁を越え、それに続く秋華賞(G1)でも1番人気になったが10着に惨敗。今年は5着に負けているが、これに関しては陣営も距離とコースであることを認めており、それを踏まえてのレース選択がここだったようだ。

 芝の1800m戦は2戦目の札幌2歳S(G3)以来となるが、この時はコーナー4つだったのに対して今回の東京1800mはコーナー3つでターンが少ない分、今のソダシには向きとも考えられる。

 もちろん、ベストがマイル戦なのは分かっているので、たとえ1ハロンでも長いのはマイナス要素ではある。これが結果的に、ソダシが馬券圏外に沈む可能性につながっているのも否定はできない。とは言え、牝馬限定戦でG1 3勝馬ながら斤量も56kgと有利なこの条件で取りこぼすようでは大目標のマイルCS(G1)で勝ち負けも覚束ないだろう。

 馬券妙味はゼロだが、実績を考えたら押さえざるを得ない。ただ、上記のような不安要素がある分だけ割り引いて評価している。


「△」は穴馬8番ライティアと、そこそこ人気しそうな10番サトノセシル、昨年の覇者14番シャドウディーヴァの3頭を挙げる。

 ライティアの前走は長岡S(3勝クラス)で、外枠から前に出てハナに立ち、自分のペースを作り出して直線でも粘り込み勝利を挙げた。

 2歳時にデイリー杯2歳S(G2)で5着と掲示板を確保しているが、これ以降重賞挑戦はなく、ようやく前走でオープン入りを果たした。3勝クラスの脱出に5戦を要したが、大崩れしない堅実な走りをする1頭。近5走も2走前に7着があるもののこれを除けば馬券圏内を確保しており、調子も安定しているものと思われる。

 今回のコースもスタートで接触がありながらも3着の実績があり、まず信頼していいのではないか。血統的にオークス馬シンハライトの全妹ということだが、こちらは遅咲きに出た感がある。とは言え、確実に着を拾ってきたあたりは良血馬の走り。ここでは格下だが、過去に長岡Sから好走した例もあるので、成績の良さを買って推しておく。


 サトノセシルの前走はクイーンSで、中団から直線で伸びて勝ち馬をハナ差まで追いつめたが2着に終わった。

 一言で言えば勝ち味に遅い馬。3歳、4歳、5歳でそれぞれ1勝という不思議な戦歴を持っている。その代わり2着が5回あり、詰めが甘いところがある。上がり最速を記録したことがないものの2番手、3番手はあり半端に切れる脚がある。

 陣営は終いの脚が使える競馬ができるようになったと評価しており、確かにここ3走は中団か、それよりやや後ろから直線勝負のレースで好走している。東京コースともそこそこ相性が良く、近3走で2戦しているので足慣らしもできているだろう。

 善戦ウーマンだが、この善戦しているというのが、ここで功を奏すかもしれない。可能性のレベルではあるが押さえておきたい。


 シャドウディーヴァの前走はエプソムC(G3)で、後方から競馬を進めていたものの直線で不利を受けたことも影響したか、伸びを欠いて8着に敗れている。

 この馬も6歳牝馬で、すでに28戦消化している。古豪と言うにはまだ早いだろうが、重賞でも好走実績があり、その雰囲気を漂わせている。だが、成績にはとにかくムラがありすぎて信用しきれない部分がある。基本的に後ろからの競馬をする馬なので、展開に大きく左右される面もあるのだろう。

 近5走もまったくいいところがなく、2度の二ケタ着順もある。ただ、それでもこの馬を押さえるのは、このレース限定で相性の良さを見せている点だ。昨年は勝利しているが、前年も2着に好走。昨年の前走は掲示板にも載れない負けを喫しているにもかかわらず、このレースだけは好走している。あくまで「東京1800m」ではなく「府中牝馬S」というレースにだけ好相性を見せているので、前走・近走の成績云々ではなくこの馬とレースとの相性の良さにかけて押さえてみたい。

 人気どころでは1番アンドヴァラナウトと15番アカイイトの2頭は切り。

 アンドヴァラナウトの前走はヴィクトリアマイルで、中団から競馬を進めたものの直線で見せ場なく14着に大敗している。

 昨年の秋台頭してきた上がり馬で、ローズS(G2)を勝って秋華賞へ進み、そこでも3着と好走してみせた。ローズSまでは連対を外したことのない馬だったので、実力あってのものだろう。

 ただ、そんな実力馬でも切るのは、今年に入ってからの成績が芳しくないため。2走前の阪神牝馬S(G2)では2着になっているが、今年初戦の愛知杯(G3)は1番人気になりながらも11着に大敗。2000mが長いと言うと秋華賞やローズSの好走が説明できず、マイルでは短いなら阪神牝馬Sの好走が説明できない。

 古馬になってメンタルな部分に不安定さが出ているとすれば説明もつきそうだ。そうであれば、好走と凡走の可能性は五分五分。人気していることを考えると、来ない方の五分に賭ける方が配当的に美味しいと見る。

 アカイイトも前走はヴィクトリアマイルで、後方待機策から直線もいい脚を使って伸びてきたが位置取りが後ろ過ぎて届かず8着に敗れている。

 昨年のエリザベス女王杯で339万馬券を演出した1頭。この後、金鯱賞(G2)で3着に入っているが、続く大阪杯(G1)と前走では後方待機策がハマらず大敗している。出遅れグセも影響しているのだろうが、スタートを上手く出ても後ろからの競馬が基本であり、前に出たからとて必ずしも好走しているわけではないので、この馬のキャラとして受け取るしかない。

 後ろからの競馬はこのレースに合うはずなのだが、昨年は7着に敗れている。東京はこれ以外に前走と2歳時に1走の3走をこなしているが、2歳時の1勝クラスで2着に入ったものの、古馬になってからはいいところがない。阪神と中京に良績が集中しており、東京は合わない可能性がある。後方待機がハマれば実績上位で勝ち負けがあってもおかしくはないが、ハマらないケースが圧倒的に多く、上記のように東京を不得意にしていることも考慮すると、ここで人気しても飛ぶ可能性が高いと見ている。

 ということで、今回は2番、3番、5番、8番、10番、14番の6頭で3連複BOX20点勝負とする。ソダシの人気は仕方ないとして、それ以外の馬は意外に人気がなさそうで、組み合わせ次第では高配当が望める。

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