菊花賞(G1)川田将雅「距離延長」は逆効果!? 勝負気配の陣営に「勝率3.6%」の絶望
23日、阪神競馬場では牡馬クラシック最後の一冠となる菊花賞(G1)が行われる。
昨年同様、皐月賞馬やダービー馬が不在となる今年の菊花賞。春二冠でいずれも2着のイクイノックスも翌週の天皇賞・秋(G1)に向かうとあって、確固たる主役不在の混戦ムードが漂っている。
19日現在、『netkeiba.com』の想定オッズではセントライト記念(G2)を制したガイアフォース、弥生賞ディープインパクト記念(G2)を勝って日本ダービー(G1)で3着したアスクビクターモア、神戸新聞杯(G2)の覇者ジャスティンパレスらが3強を形成。春のクラシックを制した馬が不在ということもあり、勢いのある重賞勝ち実績のある馬たちが人気を集めている。
上記3頭とは異なり重賞勝ちこそないものの、それらに続く4番人気想定となっているのがヴェローナシチー(牡3、栗東・佐々木晶三厩舎)である。
これまでの勝利は未勝利戦の1勝のみだが、京成杯(G3)3着、京都新聞杯(G2)2着と重賞でも好走歴があるヴェローナシチー。その鋭い末脚を武器に、重賞クラスの馬と遜色ないところを見せてきた。
前走の神戸新聞杯(5着)では初めて4着以下に敗れたものの、追加登録料を払ってでも菊花賞出走に踏み切ったあたり、陣営の本気度が窺える。今回は前走で手綱を取った若手の団野大成騎手から経験豊富な川田将雅騎手を起用したことも、ラスト一冠に悔いを残したくないといったところだろうか。
ここ3年は、常にC.ルメール騎手とリーディング争いを繰り広げてきた川田騎手。「長距離は騎手で買え」という競馬の格言もあるように、トップジョッキーである名手へ手綱が移ることは一見大きな追い風となりそう。
川田将雅騎手「距離延長」は逆効果!?
とはいえ、この乗り替わりが必ずしもプラスに働くとは限らない可能性もある。今年のリーディングトップを独走している川田騎手なら、これといった不安はないようにも感じられるが、川田騎手の長距離G1での成績を振り返ると、そうは言い切れないからだ。
実は、川田騎手は菊花賞や天皇賞・春(G1)などの長距離G1においては計28戦して1勝のみ。2010年に菊花賞を制したビッグウィーク以外は勝利がないのだ。
また勝率は僅か3.6%に留まり、騎乗回数こそ違えど武豊騎手(59戦13勝、勝率22%)やルメール騎手(15戦4勝、勝率26.7%)らと比較しても、少々物足りない印象に映る。
ちなみに、長距離を代表するこの2レースの次に距離が長い有馬記念(G1)においても、9戦して未勝利。上位人気馬に乗ることも多い川田騎手だが、長丁場においては、いつものイメージとはかけ離れているようだ。
近年の菊花賞でもレッドジェネシスやヴェロックスで1番人気に推されたが、13着と3着に敗戦。今回のヴェローナシチーも、例えトップジョッキーである川田騎手が騎乗するからといって過信は禁物かもしれない。
今年は悲願である初の全国リーディング獲得へ向け、序盤からトップを独走している川田騎手。この勢いに乗って、長距離G1での不振を覆すような手綱捌きに注目したい。