JRA朝日杯FS(G1)川田将雅×ダノン軍団もお手上げ!? 驚異の「連対率88.9%」ドルチェモア1番人気で勝負アリ

坂井瑠星騎手 撮影:Ruriko.I

 18日、阪神競馬場で行われた朝日杯フューチュリティS(G1)は、1番人気のドルチェモア(牡2歳、栗東・須貝尚介厩舎)が勝利。出世レースとして知られるサウジアラビアロイヤルC(G3)の勝ち馬が、またもG1馬に輝いた。

「4回連続で追い切りに乗せていただいて、この馬のことは分かっていました。打ち合わせ通り、いいレースができた。道中も上手くいったし、直線もしっかり反応してくれた」

 特筆すべきはスタートだろう。17頭立ての1枠2番という難しい枠だったが、抜群のスタートで楽に好位を取れた時点で、ドルチェモアの好走パターンに持ち込んだ。これが結果的に最後の粘りに繋がり、3着まで0.1秒差の接戦を制した格好だ。今秋、G1初制覇となった秋華賞から、わずか2カ月で2つ目のビッグタイトルを掴んだ坂井瑠星騎手にとっても会心のレースだった。

川田将雅騎手 撮影:Ruriko.I

 その一方で、悔しい2着に終わったのがダノンタッチダウン(牡2歳、栗東・安田隆行厩舎)と川田将雅騎手だ。

「精いっぱいの走りをしてくれました。来年、成長を伴って、さらにいい走りができると思いますし、楽しみです」

 レース後、そう語った川田騎手とダノンタッチダウンにとっては惜しい2着。中団やや後方から上がり最速の末脚で追い上げたものの、最後は勝ち馬をクビ差まで追い詰めるのがやっとだった。

 先週の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)でリバティアイランドを2歳女王へ導いた川田騎手は今や日本を代表する名手だが、ダノックスが所有する「ダノン軍団」のエース騎手としても有名だ。

 これまで同コンビで数多くの大レースを制しており、昨年はダノンスマッシュで高松宮記念(G1)、ダノンキングリーで安田記念(G1)を制覇。今年もダノンスコーピオンでNHKマイルC(G1)を勝つなど、競馬界を代表するコンビといえるだろう。

 そんな川田騎手×ダノン軍団だが、実は重賞勝利は先述したダノンスコーピオンでのNHKマイルCから半年以上遠ざかっている。毎回のようにチャンスのある馬に騎乗している川田騎手だけに、今回こそエースの実力を証明したかったが、あと一歩及ばなかった格好だ。

驚異の「連対率88.9%」ドルチェモア1番人気で勝負アリ

 だが、それも仕方なかったのかもしれない。何故なら、坂井騎手とドルチェモアのスリーエイチレーシングは、川田騎手×ダノン軍団に勝るとも劣らない快進撃を続けるコンビだからだ。

 今年、川田騎手はダノックス所有馬に41回騎乗して勝率0.195、連対率0.366、3着以内率0.537の好成績。トップをひた走るリーディング争いの原動力となっている。

 その一方で、坂井騎手はスリーエイチレーシング所有馬に36回騎乗して勝率0.250、連対率0.500、3着以内率0.556といずれも川田騎手×ダノックスを上回る成績を残しているのだ。

 特に1番人気馬に騎乗した際の成績は、9回騎乗して6勝2着2回。勝率0.667、連対率と3着以内率0.889と驚異的な結果を残している。今年5月に1度敗れた後は、現在6戦連続で連対中だ。

「昨年、坂井騎手がスリーエイチレーシングの所有馬に騎乗したのは、わずか1度。これが両者の初コンビでしたが12番人気の馬で6着と、そこまで目立ったものではありませんでした。

しかし、今年になって急接近。初春頃は特定の馬だけの騎乗で月に1度か2度といったところでしたが、5月からコンビ結成の機会が一気に増え、今では完全にスリーエイチレーシングのエース騎手となっています」(競馬記者)

 実際に、今回のドルチェモアもデビューから騎乗していたのは横山和生騎手だった。しかし、3戦目にG1を迎えて坂井騎手にチェンジ。2戦2勝の上にサウジアラビアRCを勝った横山和騎手はこの日、中京でドルチェモアの晴れ舞台を見守ることとなった。

 戦前には、この乗り替わりに対してファンからも賛否両論あったようだが、坂井騎手が結果で“雑音”をシャットアウトした格好だ。

「全ての関係者に感謝したいです。G1を勝つことができて、少しは恩返しできたかな」

 レース後、坂井騎手がそう喜びを語った通り、スリーエイチレーシングにとってはこれが嬉しいG1初制覇。2歳王者となったドルチェモアはもちろん、坂井騎手×スリーエイチレーシングのコンビは今後も大注目だ。

関連記事

競馬最新記事

人気記事ランキング 23:30更新

競馬

総合

重賞レース特集
GJ編集部イチオシ記事
SNS