D.イーガンが“鉄板コンビ”で狙う2週連続重賞制覇!戦線離脱前の大仕事なるか!?
15日に中京競馬場で行われた年始めの名物ハンデキャップ重賞・日経新春杯(G2)。勝ったのはD.イーガン騎手が騎乗したヴェルトライゼンデ(牡6歳、栗東・池江泰寿厩舎)だった。
昨秋のジャパンカップ(G1)では、ヴェラアズールとシャフリヤールには先着を許したものの3着に食い込む好走。現役上位の能力は示していた一方で、今回はトップハンデとなる59キロを背負うことが懸念されていたが、斤量も道悪のタフな馬場もものともしない完勝。昨年6月の鳴尾記念(G3)以来となる重賞2勝目を掴んだ。
短期免許で来日中のイーガン騎手にとっては、これが嬉しいJRA重賞初勝利。レース後は「ジャパンカップでも3着になるような馬に乗せていただき、関係者、オーナー、調教師の方々に感謝しています」とコメント。「ハートもガッツもあるので、またG1でも好走できるように頑張ってほしい」と相棒にエールを送った。
昨夏は、札幌で開催された『ワールドオールスタージョッキーズ』に外国騎手選抜の一員として参戦。その時は2日間で9鞍に騎乗して勝利を挙げることができなかったが、昨年12月10日から短期免許を取得してJRAの舞台に舞い戻ると、以降は安定してハイレベルなパフォーマンスを披露。先週までで通算113回に騎乗して17勝を挙げ、勝率は15.0%をマークしている。
しかも、そのうち8勝は今年に入ってから掴んだもので、2023年の成績は川田将雅騎手(10勝)と横山武史騎手(9勝)に次ぐ全国リーディング3位タイ。総賞金1億9872万5000円は堂々のトップである。
日本で快進撃を見せる英国の若きホープ。なかでも目を引くのが、名門・池江厩舎とのタッグだ。
先述した日経新春杯のヴェルトライゼンデも含め、昨年12月以降だけでも池江厩舎の管理馬には7度の騎乗機会があり、3勝・2着1回の好成績。勝率42.9%に、連対率は57.1%というとてつもない数字を叩き出している。
これまでに『JRA賞最多勝利調教師』のタイトルを2度も手にしているトップトレーナーとあって有力馬が多いのは事実だが、イーガン騎手の騎乗馬に関しては1番人気の馬が1頭もおらず、3勝も2番人気で2回と5番人気が1回。さらに1度記録している2着は、12番人気での激走だった。
反対に池江調教師の目線から見ても、今年はすでに4勝を挙げて調教師リーディングの2位タイにつける好スタートを決めた中、その内訳はイーガン騎手が2勝で菅原明良騎手と川田騎手が1勝ずつ。まさに“相思相愛”の関係性と言える。
“鉄板コンビ”で狙う2週連続重賞制覇!
そんな2人は、今週末もタッグを組んで重賞に参戦。22日に中京競馬場で行われる東海S(G2)に、4歳馬のウェルカムニュースで挑む。
前走の竹田城S(3勝クラス)では、同世代の上がり馬・ハイエンドと壮絶な叩き合いを演じ、一時は交わされながらも最後は内から差し返してクビ差先着。豊富なスタミナと勝負根性を見せた。
今回は昇級初戦でいきなりのG2挑戦となるものの、明け4歳世代と言えばクラウンプライドとハピが暮れのチャンピオンズC(G1)で2着・3着に食い込み、年末の東京大賞典(G1)でもノットゥルノが2着と奮闘。3歳時から古馬の強豪と互角に渡り合ってきた“ハイレベル世代”として知られている。
このウェルカムニュースも2歳の冬にもちの木賞(1勝クラス)でクラウンプライドの2着に食い下がった経歴があり、若駒の時代から潜在能力の高さを発揮していたこの世代の有望株。経験を積み、自己条件を一歩ずつ勝ち上がって力をつけてきた今なら、いきなり古馬相手の重賞で結果を残すことがあっても何ら不思議ではない。
さらに今回は“鉄板コンビ”というだけでなく、騎手に奮起が期待できる材料もある。というのも、イーガン騎手は重賞勝利の直前、15日の中京10R・紅梅S(L)でダルエスサラームを勝利に導いたのだが、この時に決勝線手前で外側に斜行してしまい、後続馬の進路を妨げてしまった。
15日の全レース終了後、JRAが発表したのは「9日間の騎乗停止」という裁定。期間は1月28日(土)から2月5日(日)までとなり、今週の騎乗は可能ではあるが、短期免許が切れる1月末を待たずして戦列を離れることが決まっている。
快進撃を見せていただけに手痛い制裁となるが、それだけに今週の騎乗にかける想いはこれまで以上に強いはず。東海Sのウェルカムニュースはもちろんのこと、その他のレースでも出馬表に「D.イーガン」と「池江泰寿」の名前が並んでいる馬を見つけたら要チェックだ。
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