「未完の大器」初年度産駒が衝撃大差V! 海外G1馬の近親が圧巻の勝ち名乗り
「未完の大器」初年度産駒が衝撃大差V!
28日、中京3Rに行われたダート1900mの3歳未勝利は、逃げた5番人気のバンドマスター(牡3歳、栗東・茶木太樹厩舎)が2着馬に大差をつける衝撃のVを決めた。
15頭立てのレース。バンドマスターと鞍上のB.ムルザバエフ騎手はスタートしてからじわじわとハナを奪うと、前半1000m通過を63秒4のマイペースに持ち込む。他馬に絡まれることもなく、スムーズにレースを運んで最後の直線へ。
鞍上の豪快なアクションに応えて脚を伸ばし後続を一気に突き放すと、ラスト300m付近からは独走状態に。最後は2着サイモンザナドゥに2秒差をつけての大楽勝だった。
「バンドマスターは今回が初ダートだったので砂を被らなかったことも良かったと思いますが、それにしても強い勝ち方でした。鞍上のムルザバエフ騎手とも手が合っていたのではないでしょうか」(競馬誌ライター)
これだけの派手なパフォーマンスを披露したこともあり、レース後にはネット掲示板やSNSなどにも「衝撃的な強さだった」「上のクラスもすぐに突破できる」「第二のカネヒキリになってほしい」といった絶賛の言葉が相次いだ。
近親にはオーストラリアのコーフィールドC(G1)を制覇したアドマイヤラクティや、函館記念(G3)を勝ったアドマイヤジャスタなどがいる。古馬になっても活躍が期待できる一族だけに、本馬もこれからの成長が楽しみだ。
また、昨年の新種牡馬であるバンドワゴンの産駒は、これが嬉しいJRA初勝利にもなった。
同馬は現役時代、デビュー戦となった2013年9月の新馬戦で、後に弥生賞(G2)を勝ち皐月賞(G1)や有馬記念(G1)でも2着に入る現種牡馬のトゥザワールドを相手に6馬身差の圧勝劇を演じた。
続くエリカ賞(500万下・当時)を5馬身差で制し、きさらぎ賞(G3)でもタイム差なしの2着に入ったものの、その後に脚部不安を発症し2年間もの長期休養を余儀なくされてしまうことに。無事なら間違いなく春の大舞台を賑わせていたと思われる未完の大器である。
復帰後は条件戦で2勝を挙げ、18年3月の六甲S(OP・当時)10着を最後に引退しスタッドイン。種付け数は毎年10頭前後と少ないものの、父方がイングランディーレやアサクサキングス、ニホンピロアワーズなどのG1馬を輩出したホワイトマズルの系統であることから、本馬も当たれば超大物が出現してもおかしくないだろう。
「バンドワゴン自身が半弟にG1・2勝のスワーヴリチャードなどを持つ良血馬であることから、血のポテンシャルは相当に秘めていると思われます。今回の産駒初白星をきっかけに種付け数が増えることにも期待したいです」(同)
レース後、ムルザバエフ騎手はバンドマスターについて「能力が抜けていました。まだ子供っぽい部分もあるが、上でも十分に戦えると思います」と上々の評価を下している。
産駒初Vはダートだったものの、バンドワゴンの全勝鞍が芝であることを考えると、芝も走れないことはないだろう。春クラシックを棒に振ってしまった父の無念を晴らすような活躍を、産駒たちには期待したいところだ。
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