ダービー最大の伏兵ダイワキャグニーに宿る「激走」の系譜!? 一発勝負で「15番人気3着」19年前の大波乱の”立役者”が刺客を放つ!
1996年に日本ダービー(G1)のトライアル競走として新設されたプリンシパルS(OP)。
同じトライアルの青葉賞馬がダービーを勝てないといわれているのと同様、このプリンシパルSも主役という意味を持つ「Principal」から命名されたにも関わらず、創設初年度の覇者ダンスインザダークが1番人気に推されたダービーで伏兵フサイチコンコルドの強襲に遭ってから、まるで呪われたように勝ち馬が出ていないことでも有名だ。
だからこそ、今年に覇者ダイワキャグニー(牡3歳、美浦・菊沢隆徳厩舎)も得てして人気がなさそうだ。『netkeiba.com』の予想オッズでは9番人気、ちょうど馬券で流すと手が回らないといったポジションだろう。
1998年、1人の中堅騎手が初めて日本ダービーの舞台に立った。ダイワキャグニーを管理する菊沢隆徳「騎手」だ。騎乗馬は本馬と同じ「ダイワ」を冠するダイワスペリアーだった。
この年の3歳牡馬は「空前のハイレベル」といわれていた。エルコンドルパサーやグラスワンダーといった歴史に名を残したマル外馬の出走こそ認められていなかったものの、スペシャルウィーク、セイウンスカイ、キングヘイローといった実力馬が3強を形成。プリンシパルSで辛うじて出走権を得た(当時は2着まで優先出走権があった)ダイワスペリアーは、単勝182.6倍の15番人気という超大穴に過ぎなかった。
ところがここで、ダイワスペリアーと菊沢騎手が乾坤一擲の走りを見せる。