武豊「10戦全敗」屈辱の函館ラストウィーク…昨年「固め打ち」札幌で反転攻勢へ!
16日に行われた函館記念(G3)後、『サンケイスポーツ』の取材にそう答えたのは、5番人気ドーブネ(牡4歳、栗東・武幸四郎厩舎)に騎乗していた武豊騎手だ。
先手を奪うことも予想された一戦で、武騎手が採った戦法は好位追走。スタートをしっかり決め、道中は5番手のインを進み、末脚を温存した。
武騎手が動いたのは3~4コーナー中間の勝負所。2番手につけていたテーオーシリウスが下がってきたところで、うまく外に持ち出すと、4コーナーでは先頭を射程圏に入れる3番手まで進出していた。
あとは前の2頭を交わすだけと思われたが、武騎手のコメント通り、ラスト1ハロンで「ばったり止まる」と、ローシャムパークら後続馬に次々と飲み込まれ、8着に沈んだ。
「前走の巴賞(OP)が4角先頭の積極策を採っての僅差2着でした。今回は他にも逃げ馬が複数いたため、武騎手も控える競馬を選択したのだと思います。実際にレースではユニコーンライオンがハイペースを演出し、先行馬は総崩れの展開。武騎手の判断は決して間違っていなかったと思います」(競馬誌ライター)
自身の公式サイト上にある日記コーナーで「函館のラストウィーク」(12日付)と題し、「57キロのハンデなら泣いていられませんし、いいところを見せたいです」と、ドーブネと臨む一戦に向けて決意表明をしていた武騎手。結果的に人気を裏切る形にはなってしまったが、展開を考えれば致し方なしといったところだろう。
それでも函館最終週に勝利を挙げることができなかったのは、本人も無念だったに違いない。
昨年「固め打ち」札幌で反転攻勢へ!
「武騎手は6週間にわたる函館開催のラスト2日間で活躍を誓っていましたが、騎乗した10鞍のうち、人気以上の着順に持ってきたのは土曜の函館2歳S(G3、アガシ=11番人気で9着)だけでした。1番人気が2鞍、2番人気も1鞍ある中で、馬券に絡んだのは1度(3着)しかなかったので、消化不良の感は否めません」(同)
武騎手にとって函館は、父・邦彦氏の出身地でもあり、第二の故郷と呼べる場所。それだけに最後2日間で函館のファンにいいところを見せたかったはずだが、それも空回りに終わった印象だ。
函館開催を終えた夏の北海道シリーズは、今週末から7週にわたる札幌開催へと移行する。武騎手が昨年14勝と固め打ちに成功した場所で気分一新、勝ち星量産態勢に入ることができるか。北の大地で大暴れする武騎手の姿を待ちわびているファンは少なくない。