川田将雅×中内田充正「変わらぬ」黄金コンビの陰で「序列変化」が進行中!? 厩舎2番手“奪取”6年目騎手が「年間100勝」も視野?
4頭のうちの1頭が、昨年の当レースで5着に入ったヴァリアメンテ(牡5歳、栗東・中内田充正厩舎)。抽選を突破すれば、昨年8月の小倉日経オープン(3着)以来、11か月ぶりの復帰戦となる。
本馬の姉は先行力を持ち味に重賞路線でも活躍したアンドラステ(父オルフェーヴル)で、21年の中京記念も制している。父ドゥラメンテに替わった本馬は切れ味鋭い末脚が武器で、長期休み明けになるが、調教ではひと追いごとに動きも良化中。出走がかなえば、一発があってもおかしくないだろう。
気になるのは、ヴァリアメンテの鞍上が主戦の藤岡佑介騎手からテン乗りの西村淳也騎手への乗り替わりを予定していること。これまで12戦中9戦で手綱を取り、全4勝を挙げた主戦騎手とのコンビをいったん解消し、新たに6年目の若手騎手が手綱を託された形だ。
西村淳也騎手の評価が上昇中
「ヴァリアメンテを管理する中内田厩舎といえば、川田将雅騎手との黄金コンビで知られていますが、長年“厩舎2番手”と位置付けられているのが藤岡佑騎手です。昨年の中内田厩舎は川田騎手と81回コンビを組みましたが、これは断トツの数字。2番目に多かったのは藤岡佑騎手で47回でした。次点の西村淳騎手が17回なので、藤岡佑騎手は厩舎内2番手をしっかり確保していたことが分かります。
“エース川田、サブ藤岡佑”という位置付けは厩舎開業3年目(16年)から昨年まで7年連続で同じ。ところが今年に入ってから、この序列に変化が起きています。川田騎手のトップこそ変わりませんが、西村淳騎手が27回で2位、藤岡佑騎手は20回で3位。今のところ2人の序列は逆転した形です」(競馬誌ライター)
今年すでに47勝を挙げ、昨年マークした自己最多の72勝を大幅に更新する勢いの西村淳騎手。重賞勝利も、昨年までの5年間で2勝だけだったが、今年はすでに3勝を挙げている。
「一昨年、昨年と重賞を1勝ずつした西村淳騎手ですが、どちらも伏兵馬での逃げ切り勝ちでした。ノーマークで展開に恵まれた面もあったと思います。ところが、今年は勝利した3レース全てが人気馬に騎乗しての差し切り勝ち。特に6月のマーメイドS(G3)は中内田厩舎が管理するビッグリボンで、見事1番人気に応えました」(同)
西村淳騎手の躍進の理由として中内田厩舎のバックアップも大きいと言えるだろう。そんな西村淳騎手が中内田厩舎以上に多い騎乗機会を得ているのが、今年の全国リーディング首位を走る杉山晴紀厩舎である。今年厩舎が挙げた33勝のうち、実に9勝を西村淳騎手とのコンビで挙げている。
33勝の杉山晴厩舎と29勝の中内田厩舎。西村淳騎手がリーディングを争う両厩舎から更なる信頼を勝ち取ることができれば、勝ち星の量産は必至だろう。そうすれば、自己最多更新どころか、年間100勝も視野に入ってくるのではないだろうか。
まずは、今週の中京記念でゲートインを果たし、好調ぶりを見せつけてほしいところだ。