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美浦の“個性派”調教師が「159連敗」から脱出! 武豊の手綱で歯止めをかけたことが喜びひとしおなワケ

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武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 22日、札幌最終12Rの3歳以上1勝クラスで豪快なまくりを決め、後続に1馬身3/4差をつけて勝利を飾ったのは、フォーワンセルフ(牡4歳、美浦・小桧山悟厩舎)と武豊騎手のコンビだ。

 武豊騎手はこれが2週間ぶりの勝利となり、連敗も18でストップ。先週は今年のラスト開催となった函館競馬で活躍を誓っていたのだが、土日あわせてまさかの10戦全敗を喫していた。

 舞台が札幌競馬場に移ったこの日も、ここまで4鞍に騎乗して馬券圏内すら一度もナシ。またしても勝利は持ち越しかと思われたが、最終レースで久々の白星を決めることができて、まずは一安心といったところだろうか。

 ただ、この勝利にレジェンドよりも胸を撫で下ろしていると思われるのが、フォーワンセルフを管理する小桧山調教師であることは想像に難くない。

 なぜなら小桧山師は、ここまで実に159連敗を喫していたからである。

 1996年に開業した小桧山厩舎の管理馬といえば、過去に重賞3勝を挙げ日本ダービー(G1)でも2着に入ったスマイルジャックが有名だろう。最近も2021年の七夕賞(G3)を制したトーラスジェミニなど個性派を送り出し続けていたのだが、来年2月に定年を迎えるため今年が実質ラストイヤーとなる。

 そんなラストイヤーは、スタートから2週間で2勝を挙げるなど快調な滑り出しを見せていたが、1月14日の白星を最後にまさかの連敗街道に突入……。半年以上に渡って苦杯を舐め続けていたが、ようやく長いトンネルから抜け出すこととなった。

 また武豊騎手とのコンビで連敗から脱出できたことも、師にとっては大きかったかもしれない。

 武豊騎手と小桧山厩舎といえば、それほど繋がりが強くないようにも思えるが、実はレジェンドが1987年に騎手デビューしてまだ間もない頃、アメリカへ武者修行に行った際に通訳を務めたのが、当時まだ調教助手だった小桧山師だ。師はジャパンC(G1)の際に催されるパーティーでも通訳を担当したそうで、とある関係者からは武豊騎手のマネージャーだと勘違いされたこともあったようだ。

 また、小桧山師といえばゴリラ愛好家としても一部ファンの間で知られるところだが、2016年に写真集『GORILLA My God 我が神、ゴリラ』(マガジン・マガジン)を出版した際には、武豊騎手が帯に『最初のアメリカ修行の時、通訳をしてもらいました。でも、小桧山さんはゴリラとも話せるなんて知らなかった』と、親しい間柄を思わせる実にウィットに富んだコメントを寄せるなど話題を集めたことをまだ覚えているファンもいるかもしれない。

 そんな30年来の絆で結ばれている武豊騎手の手綱で連敗ストップとなっただけに、師にとっても今回は喜びひとしおだったのではないだろうか。

「武豊騎手と小桧山厩舎のコンビは、一昨年6月のトーセンメラニー以来、およそ2年1ヶ月ぶりの勝利にもなりました。両者はタッグを組む機会がそれほど多くありませんが、実は今回を含めて過去5年間で【3-5-2-8/18】連対率44.4%、3着内率55.5%という抜群の成績。今後も見かけたら注意しておいて損はないでしょう」(競馬誌ライター)

 なお武豊騎手はレース後「残り600mくらいから仕掛ける形でしたが、思った以上の反応を見せてくれた。今日は完勝でした」と、フォーワンセルフの競馬っぷりについて上々のコメントを残している。今回はテン乗りだったが、引き続きこのコンビが見られるだろうか。

GJ 編集部

GJ 編集部

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