生命の奇跡を信じたい「ホエールキャプチャ2017」の凄絶な闘病とデビューへの期待

 それから1カ月が経ったある日、千代田牧場のHPが更新される。そこにはあの仔馬が元気よく走り回る写真が掲載されていた。その写真とともに更新された文章によれば、6月1日から同馬放牧に出て元気よく走り回り、通常の競走馬と同じように草も食べることができるようになったという。すでに馬体重も100kgを超え、同時期に誕生した他の馬と比べてもその馬体が見劣りすることはない。

 今後、難局を乗り越えたと思われる仔馬がターフに出て活躍できるかは不明だ。だが、成長期にある骨端部の一部が壊死してしまう骨端症を発症しながらも97年の桜花賞を制したキョウエイマーチ。また東日本大震災の日に産まれ、重度の腸炎を患いながらも14年の菊花賞を制したトーホウジャッカルなど、難病を克服して活躍した競走馬はたくさんいる。血統はお墨付きをもらえるほど良血なため、競走馬としてではなく繁殖牝馬として生きる道も残されているはずだ。

 スタッフたちの尽力もあり、逆境を乗り越えて生をつかんだホエールキャプチャ2017。願わくはターフを元気よく駆け巡る姿を見せてくれることを祈りたい。

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