目指すは「マイル王」か「電撃王」か……伝統のレース・京王杯スプリングC(G2)に今後の短距離界を占う「超新星」が集結!

ロサギガンティア「Nadaraikon」より

 今週末の14日(土)には、東京競馬場で京王杯スプリングC(G2)が開催される。

 以前は安田記念(G1)の前哨戦的な位置づけのあるレースだったが、近年は1400mという距離が示す通り、安田記念を目指す「マイラー」と、サマースプリントシリーズを目指す「スプリンター」とが火花を散らすレースになった。特に今年は、今後の短距離界を占う「新星」が多数登録しており、非常に興味深い一戦となりそうだ。

 中心は、昨年の阪神C(G2)を制したロサギガンティア(牡5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)だ。

 3歳春にスプリングS(G2)を勝つなど、早くからその素質を評価されていたロサギガンティア。続く皐月賞(G1)で10着大敗後はマイル路線に切り替えたが、勝ち切れない状況が続いていた。

 しかし、昨年のオーロC(OP)で約1年半ぶりの勝利を挙げると、続く阪神Cでも一線級の短距離馬を相手に見事勝利。2着のダンスディレクターがその後シルクロードS(G3)を勝ち、3着のビッグアーサーに至っては高松宮記念(G1)を勝っているのだから、その勝利は今や極めて価値の高いものとなった。

 今回は安田記念に向けての試金石となるが、まずは得意の1400mで景気付けといきたいところだ。なお、鞍上は阪神Cを勝ったM・デムーロ騎手が想定されている。

 素質馬サトノアラジン(牡5歳、栗東・池江泰寿厩舎)が、ここは”本気モード”でくるかもしれない。

 昨年のマイルCS(G1)で4着するなど、本来トップクラスの力があるサトノアラジンだが、実は未だ重賞タイトルには手が届いていない。確勝を期した前走のダービー卿チャレンジT(G3)では、直線果敢に追い込むも3着。ここに出走してきたのも、このままでは賞金面で安田記念に参加できない可能性があるからだ。

 そのため、ここはまさに「背水」の一戦。是が非でも賞金を加算しないことには、今後のレース選択に影響が出ることは間違いないだろう。川田将雅騎手への乗り替わりをきっかけに、今度こそ勝負強さを見せたいところだ。

 3連勝中のアンタラジー(牡4歳、美浦・萩原清厩舎)が、安田記念に向けて一気の重賞制覇を狙っている。

 デビュー戦から、後にG2を2勝するサトノクラウンと0.2秒差の競馬をするなど、高い素質を見せていたが、ここまで大事に使われて7戦4勝。落馬で競走中止になったレースを除けば、実質4連勝中で「この春最大の上がり馬」になるかもしれない存在だ。

 特に前走の雲雀S(1600万下)では、今回と同じ東京1400mで圧巻のスピードを披露。好スタートからハナを主張すると、最後は後続に2馬身差をつけ、稍重ながら1:21.3という速い時計で逃げ切った。

 ちなみに、これは良馬場で行われた昨年の京王杯スプリングCよりも速い時計。それを自分で逃げて作ったことには、高い評価を与えて然るべきだろう。鞍上も先週のNHKマイルC(G1)を逃げ切ったC・ルメール騎手が想定されているだけに不気味な存在だ。

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