横山武史「嬉しい誤算」のソールオリエンスが復帰!セントライト記念の裏で東高西低に決定打…菊花賞トライアルの立場逆転が浮き彫り

 7日、菊花賞トライアル・セントライト記念(G2・18日)に向けた1週前追い切りが美浦トレセンで行われた。

 今年の皐月賞馬で日本ダービー2着のソールオリエンスは、美浦のウッドコースで6F80秒5-11秒3の好タイムをマーク。3頭併せで追い切った3歳馬2頭を楽々と置き去りにして見せた。

 追い切りに跨った横山武史騎手も、「こちらが思っていた以上の成長曲線」「下手したら想像以上」とコメント。不満のある時はハッキリとモノをいう、歯に衣着せぬ物言いで知られる騎手だけに、嬉しい誤算だったということだろう。

 セントライト記念には、ソールオリエンスの他にも昨年のホープフルS(G1)を制したドゥラエレーデ、ラジオNIKKEI賞(G3)で1番人気に支持された素質馬レーベンスティールなどが登録予定。いきなりG1馬2頭が激突する豪華メンバーで争うことになりそうだ。

 また、今年の夏の重賞戦線では、昨年のセントライト記念に出走していたメンバーレベルの高さも話題となった。

 振り返れば勝ち馬のガイアフォース、2着アスクビクターモア(菊花賞)、3着ローシャムパーク(函館記念)、4着セイウンハーデス(七夕賞)、5着ラーグルフ(中山金杯)が、次々に重賞を制覇。7着オニャンコポン(京成杯)も加えれば、出走していた13頭中6頭が重賞勝ち馬ということになる。

 その一方で、近年のセントライト記念組から菊花賞馬が出るケースも増えてきた。クラシックで勝ち負けを演じる世代トップクラスの馬は、神戸新聞杯(G2)から始動するケースが多く、どちらかというとセントライト記念に使われるのは、それより少し足りない組が多かった。

 ところが、15年の勝ち馬キタサンブラックが本番を制したことも話題になったが、2年前のタイトルホルダーや昨年のアスクビクターモアも同じくセントライト記念から菊花賞制覇。「西高東低」といわれて久しい競馬界において、ちょっとした異変といっていいかもしれない。

 その結果、少々寂しいメンバーとなりそうなのが、これまで王道的な位置づけだった神戸新聞杯だ。昨年の菊花賞で敗れはしたものの、2着にボルドグフーシュ、3着にジャスティンパレスが入って存在感は見せた。

 しかし、今年は昨年以上に本番で苦戦を強いられそうなメンバーである。

 何しろ最有力候補と目されていたダービー4着馬ベラジオオペラが、夏バテの兆候が見られたことでローテーションが白紙、実績的に皐月賞3着のファントムシーフが1番人気に推されそうな雰囲気だ。

 シーズンリッチやサトノグランツといった重賞勝ち馬も想定に入っているとはいえ、セントライト記念組に比べると小粒な印象が否めない。そしてダービーからの直行を表明しているタスティエーラも忘れてはならない。

 勿論、菊花賞が終わってみないことには、どの組から勝ち馬が出るかは分からないものの、下馬評では春クラシックで勝ち負けをしたソールオリエンスを擁するセントライト記念組が優勢かもしれない。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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