全国リーディング6位のトップ騎手が重賞1番人気「11連敗」の泥沼…菊花賞(G1)権利取り失敗の日本ダービー3着馬に黄色信号
24日に行われた菊花賞トライアルの神戸新聞杯(G2)は、ゴール前で馬群を割って抜け出した3番人気サトノグランツが優勝。勝ちタイムの2分23秒5はコースレコードのおまけ付きだった。
この日5勝の固め打ちとなった鞍上の川田将雅騎手はレース後、「これだけ全体時計が速い中でも勝ち切れたのは、春からの成長だと思います」と、一回り逞しくなった相棒を褒め称えた。
同馬の父は現役時代、神戸新聞杯からの連勝で2016年の菊花賞(G1)を制したサトノダイヤモンド。来月22日に開催される本番では、親子制覇の達成に注目が集まることは間違いない。
その一方で、1番人気に推されていたハーツコンチェルト(牡3歳、美浦・武井亮厩舎)と松山弘平騎手のコンビは、善戦もむなしく5着に敗れた。
今年の日本ダービー(G1)でタイム差なしの3着に好走した実力の持ち主である同馬。ただ実はまだ1勝馬であり収得賞金1500万円と、ラスト一冠出走に向けてやや心細い金額である。ここは何が何でも3着以内に入り、菊花賞への優先チケットを獲りたかったに違いない。
レースでは大外13番枠からスタートすると、道中は中団後ろを追走。4コーナーで大外を回って最後の直線追い込んだものの、勝ちないし優先出走権の3着にはアタマ+ハナ差で届かなかった。レース後、松山騎手は「いい競馬はできましたが、思った以上に最後は脚を使えませんでした」と、歯がゆいコメントを残している。
「道中は勝ち馬のサトノグランツと併走状態だったこともあり、位置取りは悪くなかったと思います。ただ勝負どころでもサトノが内でジッとしていたのに対し、ハーツコンチェルトは大外。最後はコース取りが明暗を分けたと思われます。
ちなみに今年の菊花賞の参戦予定馬を見渡す限り、収得賞金1500万円のハーツコンチェルトはちょうどボーダー上になりそうな感じです。このまま行くと出走できるかどうかは微妙なラインになるかもしれません」(競馬誌ライター)
なお1番人気の期待を裏切ってしまった松山騎手は、昨年から続いている“負の連鎖”をここでも止められなかった。
重賞1番人気「11連敗」の泥沼…
というのも同騎手は昨年行われた菊花賞のガイアフォースから今回のハーツコンチェルトまで、重賞1番人気馬で実に11連敗。その間、2着も1度もなく、3着がわずかに1回あるのみという厳しい成績となっている。
そんな実情もあってか、一部ファンからはレース後、SNSやネット掲示板などに「さすがにハーツコンチェルトでは勝ってくれると思ったが」「せめて3着以内には来てほしかった」「意外とプレッシャーに弱いのかな」などといったコメントが書き込まれていた。
「今年重賞4勝を挙げている松山騎手ですが、何故か1番人気ではいい結果が出ていません。偶然だとは思いますが、言うまでもなく陣営にとっても1番人気は最も勝利を期待できる状況。あまり続くと騎手としての信頼にも影響を及ぼしかねないだけに、本人としても頭の痛いところでしょうね」(同)
現在全国リーディング6位の松山騎手は、これから本格化を迎える秋競馬の重賞レースでも上位人気馬に騎乗することは少なくない。1番人気での連敗ストップはもちろんだが、ダービー3着馬のハーツコンチェルトが無事に菊花賞に進めることにも期待したい。
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