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復活に欠かせない「武豊不在」で最悪のケースも…巻き返し急務のドウデュースが大ピンチ?「意外なほど回復に時間」で風雲急を告げるジャパンC

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復活に欠かせない「武豊不在」で最悪のケースも…巻き返し急務のドウデュースが大ピンチ?「意外なほど回復に時間」で風雲急を告げるジャパンCの画像1
ドウデュース 撮影:Ruriko.I

 単勝オッズ1.3倍の断然人気に推されたイクイノックスが、他馬を寄せ付けない走りで圧勝を飾った先月の天皇賞・秋(G1)。芝2000mで1分55秒2というスーパーレコードをマークし、世界最強馬の名に恥じない速さと強さを証明した。

 完全無欠のチャンピオンに対し、ただ1頭だけ単勝一桁台のオッズに支持されていたのが、4.3倍で2番人気のドウデュース(牡4、栗東・友道康夫厩舎)だ。

 両馬は昨年の日本ダービー(G1)で、ドウデュースがイクイノックスを2着に退けて優勝。ファンの多くが世代最強と世界最強の意地と意地がぶつかる好レースを期待していたはずだが、ドウデュースは道中でライバルを前に見ながら追走したものの、最後の直線半ばで力尽き、1秒4も離される7着という完敗を喫してしまった。

 ただ、3月に出走を予定していたドバイターフ(G1)の直前に左前肢跛行が判明して取り消すアクシデントもあった中での国内復帰戦。いつものように後方から外に回して末脚を伸ばす競馬ではなく、馬群の中で積極的な位置からレースを進めたことも、本来の能力を発揮できなかった理由のひとつと考えられる。

 その一方で、やはり悔やまれるのは主戦を務める武豊騎手が、予想外のアクシデントに見舞われたため、天皇賞・秋での騎乗が叶わなかったことである。

 レジェンドが災難に遭ったのは同日5Rでのこと。このレースで騎乗したブラックライズに検量室前で右足を蹴られて負傷。痛みのあまり、その場にうずくまるシーンもSNSで話題を集めた。

 この件に関しては、武豊騎手も自身の公式ホームページで「この程度で済んだのが不幸中の幸いというヤツ。もう少し下に当たっていたら膝が砕けていたかもしれません。今はいい方に考えています」と振り返ったように前を向いたが、本人も相当悔しかったに違いない。

 もちろん、急遽の代役を引き受けた戸崎圭太騎手も、癖や特徴を把握できていない初騎乗の馬で大役を務めたが、武豊騎手ならどのような走りを見せていたのかは気にするなという方が難しいだろう。

「意外なほど回復に時間」で風雲急を告げるジャパンC

 とはいえ、マイルCS(G1)の週で復帰を目指していた武豊騎手だが、9日に公開された日記では「意外なほど回復に時間がかかっています」という気になる表現が目に入った。

 過去の大怪我でも周りが驚くほどの急回復を見せた名手だが、思いのほかスローペースで遅れが出ている様子。「万全で臨めるように準備を進めてまいります」ということで、1週間の先延ばしを決断したようだが、状況次第でジャパンC(G1)にも間に合わないという大ピンチを迎える可能性も残されている。

 本人曰く「当初は2週間も休めば(回復する)」と予想されていただけに、もしかしたら54歳という年齢も、少なからず遅延に影響しているのかもしれない。

 武豊騎手が経験した「筋挫傷」とは、スポーツ選手に見られる怪我で、強い力で幹部がぶつかった際に筋肉が損傷し、腫れや痛みで運動ができなくなる症状らしい。同じ怪我の経験者によると、治るときには意外と早く回復するケースもあるという。

 巻き返しを期すドウデュース陣営にとって、この馬のことを最も知るレジェンドの騎乗は、復活のために欠かせない条件のひとつであることは間違いない。パートナーと共に不死鳥の如く華麗な手綱さばきが見られることを期待したい。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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