
【朝日杯FS】「勝ち馬は強かった」ジャンタルマンタル降板の元主戦は16着大敗もかつての相棒を称賛。もう1頭の「大物」と暮れの中山で鬱憤晴らしへ
先週日曜の朝日杯フューチュリティS(G1)は、川田将雅騎手と新コンビを組んだ1番人気ジャンタルマンタル(牡2歳、栗東・高野友和厩舎)が最後の直線で抜け出し、2着エコロヴァルツに1馬身1/4差をつけて完勝した。
テン乗りにもかかわらず、ほぼ完璧な手綱さばきを見せた川田騎手は「とても性格が良く、能力も高い。もっと成長を伴える馬だと思います」とパートナーを絶賛。管理する高野師は「川田騎手はレースが見えていて、気付いたらいいポジションにつけていました」と鞍上の好騎乗を褒め称えた。
これで新馬戦から無傷の3連勝とした同馬。来春のクラシック戦線では間違いなくこのタッグが注目の存在となるだろう。

その一方で、デビューからの2戦でジャンタルマンタルの手綱を任されていた鮫島克駿騎手は、14番人気クリーンエアとのコンビで挑むも17頭立て16着に終わった。元主戦騎手といえるだけに、胸中複雑なお手馬の乗り替わりだっただろう。
昨年は80勝を挙げ、初の全国リーディングトップ10入りを果たした同騎手。今年も先週終了時点で全国9位をキープするなど、成長著しい27歳の若武者だが、G1は未勝利。騎手としてさらにもうひと皮剥けるため、また後輩の坂井瑠星騎手や団野大成騎手が一足先にG1ジョッキーとなったからには、喉から手が出るほどG1のタイトルが欲しかったに違いない。
その一方でチャンスが全くなかった訳ではない。初騎乗だったジャスティンパレスで昨年の神戸新聞杯(G2)を楽勝し、菊花賞(G1)でも差のない3着に入った。
しかし、次走の有馬記念(G1)ではT.マーカンド騎手へと乗り替わり。コンビ復活を期待された今年の阪神大賞典(G2)だが、C.ルメール騎手が起用され、天皇賞・春(G1)まで連勝する好結果を残した。さらには、今年の北九州記念(G3)で鮫島駿騎手が騎乗し2着だったママコチャも、川田騎手に乗り替わった次走のスプリンターズS(G1)でG1馬に輝いている。
そんなほろ苦い経験もしてきた鮫島駿騎手が出会ったのが、大器ジャンタルマンタルだった。
新馬戦を2馬身半差で楽勝すると、続くデイリー杯2歳S(G2)も内から難なく抜け出し快勝。「この馬と必ず大きなところを獲るという気持ち」「この馬の成長にあわせて、自分もしっかり成長できるように頑張りたい」と、ジャンタルマンタルとのコンビでビッグタイトルを獲るという強い気持ちが窺えるコメントを、鮫島駿騎手は前走のレース後に残していた。
「ジャスティンパレスやママコチャはG1ホースとなったものの、もともとは他の騎手でデビューした後、鮫島駿騎手の元に回ってきた馬でもありました。ジャンタルマンタルはデビュー戦から手綱を取り続けたお手馬だっただけに、思い入れが強かったことは想像に難くありません」(競馬誌ライター)
「勝ち馬は強かったです」自身は16着に大敗
しかし、大一番となる朝日杯FSを前にしてまさかの乗り替わりが決定……。レースは先述の通りジャンタルマンタルが優勝し、鮫島駿騎手とクリーンエアは果敢に先行したものの、最後の直線は伸びを欠いて後方に下がっていってしまった。
1着からは1秒以上も離されたブービー16着でのフィニッシュとなったものの、鮫島駿騎手はレース後のコメントで「勝ち馬は強かったです」と、ジャンタルマンタルの走りを称賛。自身が騎乗したクリーンエアについても「この馬の走りもよかったと思います」と一定の評価を下している。
元お手馬にG1を勝利されるという厳しい結果となってしまったが、鮫島駿騎手は28日のホープフルS(G1)にジャンタルマンタルと同じ高野厩舎に所属するショウナンラプンタで挑む予定だ。
同馬とも新馬戦からコンビを組み続けている鮫島駿騎手。上がり最速で後続に2馬身半差をつけて快勝した初陣の後には「大物感があります」と話した好素材である。朝日杯FSでの鬱憤を晴らすような好結果を、暮れの中山で期待したいところだ。
PICK UP
Ranking
23:30更新「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
【ヴィクトリアマイル(G1)予想】ナミュールから6点で万馬券狙い! マスクトディーヴァは持ちタイムに不安ありで消し! 高速決着に対応できる穴馬で勝負
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA出鼻をくじかれた「16億円」の大勝負……。「神の馬」の二の舞だけは避けたい日高に朗報!? 海外からのニュースに関係者も安堵か
- 武豊騎手「パドック意味なし」発言に仰天……馬券購入セオリー「完全否定」のトップ騎手たちが語るパドック必勝法とは
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「空前の競馬ブーム」巻き起こしたオグリキャップ…ぬいぐるみはバカ売れ、見学ツアーも大人気、「ビジネスチャンス」生かしたオーナーの慧眼【競馬クロニクル 第64回】
関連記事
【中山大障害(G1)展望】オジュウチョウサン「ラストラン」から早1年……ニシノデイジーが連覇に挑戦!屈腱炎からスピード復帰の11歳馬にも熱視線
武豊「G1完全制覇」に立ちはだかる強力ライバルたち!エコロヴァルツは先に繋がるレースも…ドウデュースと挑む「叩き良化」に期待大
【有馬記念】ダイユウサク、マツリダゴッホらが教えてくれた穴馬条件…今年の狙い目は「○○に強い」に手掛かりあり【東大式必勝馬券予想】
ダノックス「取捨選択」に大成功した川田将雅…遅れてきた大物候補も貫録勝ち、有馬記念前に「いいとこどり」の3連勝締め
【有馬記念】3連勝中「1番人気」はジャスティンパレスか、スターズオンアースか。昨年覇者イクイノックス不在の大混戦も絶対的軸馬と逆転候補3頭!