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マッドクールでも、ママコチャでもない2024年「最強スプリント王」はあの男!? 高松宮記念(G1)含む【5.2.0.0】連対率100%を誇る坂井瑠星の強み

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マッドクールでも、ママコチャでもない2024年「最強スプリント王」はあの男!? 高松宮記念(G1)含む【5.2.0.0】連対率100%を誇る坂井瑠星の強みの画像1
坂井瑠星騎手 撮影:Ruriko.I

「一番理想的な位置で運べ、直線も内ラチぎりぎりを攻めた。思っていた通り競馬ができました」

 24日、中京競馬場で行われた春のスプリント王決定戦・高松宮記念(G1)は、6番人気のマッドクール(牡5歳、栗東・池添学厩舎)が勝利。鞍上の坂井瑠星騎手が完璧な騎乗で、昨秋のスプリンターズS(G1)2着の借りを返した。

 今年の春のスプリント王決定戦は、史上稀に見る混戦だった。

 昨秋のスプリンターズSを勝ったママコチャが暮れの阪神C(G2)で5着に敗戦。ハナ差の接戦を演じたマッドクールも香港スプリント(G1)では見せ場を作れず8着に敗れていた。また、昨秋のスプリンターズSで1番人気だったナムラクレアも、始動戦の京都牝馬S(G3)でまさかの敗戦。そこに雨予報や、香港からの刺客ビクターザウィナーなど未知の要素も重なった。馬券を買う側も、どの馬も一長一短といった具合で、最終的に単勝10倍以下に6頭がひしめく大混戦となったのも無理はないだろう。

 だが、いざ終わってみれば、一体何を悩んでいたのかわからなくなるほど「順当」な結果だった。我々は素直に「無敵のスプリント王」坂井騎手を信じていればよかったのだ。

 昨年、自身初の100勝超えとなる107勝を挙げて、トップジョッキーの地位を確固たるものにした坂井騎手。その勢いは今年になっても衰えず、現在(24日現在)31勝は堂々のリーディング4位。重賞も高松宮記念を含む3勝と、内容も文句なしだ。

 そんな坂井騎手の原動力となっているのが、高松宮記念の舞台となった「芝1200m戦」だ。

連対率100%を誇る坂井瑠星騎手の強みとは…

 高松宮記念までに6回騎乗して【4.2.0.0】で、連対率は驚異の100%。シルクロードS(G3)、オーシャンS(G3)でそれぞれ2着と、芝のスプリントで完璧な安定感を誇っていた坂井騎手。ここに高松宮記念の1着が加わり、通算7戦5勝2着2回と“スプリント適性”は神懸かり的な領域に達している。

「昔から『長距離は騎手』と言われますが、それはペースコントロールや道中の駆け引きなど、長距離戦は騎手の技術や経験が介入できる幅が大きいからです。

だからこそ逆に1200mで、これだけ結果を残せているのは驚きの一言。スタートの上手さなど、もちろん短距離戦でも騎手の存在は大事ですが、坂井騎手の場合、そこに加えて持ち前の思い切りの良さが良い方向に出ているのかなと思います。特に馬場読みの正確さについては、若手ながらに現役騎手でも屈指の存在ではないでしょうか」(競馬記者)

 実際に、坂井騎手が「直線も内ラチぎりぎりを攻めた。思っていた通り競馬ができた」と自画自賛する高松宮記念の勝利は重馬場の中、内ラチ1頭分だけが伸びる特殊な馬場を読み切っての騎乗。また、メイショウタバルで6馬身差の圧勝を飾った前日の毎日杯(G3)でも、レース後に「馬場傾向も考えて、直線は1頭分だけ(馬場が)良かったので、そこを狙おうと考えていた」と作戦勝ちであったことを強調している。

 自身の馬場読みの精度の高さもさることながら、その読みに殉じられるだけの決断力が坂井騎手の大きな武器になっているというわけだ。

「まだ緩さを残している中でG1を勝てた。まだまだ伸びしろがあると思っています」

 レース後、そうマッドクールに期待を寄せた坂井騎手。そういえば、かつて本騎手が武者修行していたオーストラリアは、日本のスプリンターズSをテイクオーバーターゲットが勝つなど、香港と並んで芝1200m戦が盛んな国だ。ちなみに3着に善戦した香港馬ビクターザウィナーも豪州産馬である。

 新スプリント王には、最強のジョッキーがついている。

GJ 編集部

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