
「幻の高松宮記念馬」アサカラキングが裏開催でうっぷん晴らし!失意の不戦敗も秋の天下取りに大きく前進

先週末の桜花賞(G1)は、J.モレイラ騎手に導かれた2番人気ステレンボッシュが、昨年の阪神ジュベナイルF(G1)を制したアスコリピチェーノを破って桜の女王の座に就いた。
距離延長に不安のあるライバルはNHKマイルC(G1)に向かう可能性もあり、春の牝馬二冠制覇も現実味を帯びてきた。
牝馬クラシックの一冠目が終了し、今週末は牡馬クラシック一冠目の皐月賞(G1)が開催。こちらは昨年のホープフルS(G1)を優勝したレガレイラが出走を予定しており、いずれはステレンボッシュとの女王対決も実現するかもしれない。
激戦の繰り広げられた桜花賞の裏でG1級素質馬が存在感
ステレンボッシュの桜花賞制覇に沸いた一方で、同日の裏開催となった福島競馬のメイン、モルガナイトS(OP)も注目しておきたいレースだった。
本レースには、高松宮記念(G1)を賞金不足で除外になったアサカラキング(牡4、美浦・斎藤誠厩舎)が出走。もし参戦が実現していたなら勝ち負けの期待も大きかった実力の持ち主である。
実際のレースでも他馬をまったく寄せ付けずに圧勝したのだから、そんな本馬に対し「幻の高松記念馬」と評したファンがいたのも当然か。

「負けられないと思っていましたし、この馬のレースをしました。前半速い中でも残したのは実力ですし、良い走りを見せられました」
主戦の斎藤新騎手がそう振り返ったように、危うさを微塵も感じさせない圧巻の逃げ切り勝ちを演じた。
スタートダッシュこそ外枠の馬に後れを取ったが、鞍上の決意は揺るがない。手綱を押してハナを奪い切るまでに要した時間は10秒。これで勝敗がほぼ決したといっていい瞬間だった。
「2番手につけたジャスパージャックも速い馬ですが、本馬が押っつけながら追走していたのに対し、アサカラキングは持ったままのマイペースで逃げていました。前半3ハロンを33秒0でまとめると、最後の直線に入っても脚色が一向に衰えることなくゴール。まるで追い切り代わりに回ってきましたと言わんばかりの楽勝でしたね。
勝ちタイム1分7秒7は当然ながら今年の福島で最速。中距離では芽が出なかったスプリンターとしての資質を証明する走りでした。今年の高松宮記念は展開が味方する可能性も高かっただけに、出られなかったのは残念です。ハナ差で敗れた阪急杯(G3)の2着が惜しまれます」(競馬記者)
注目の快速馬は秋の天下取りも視野
言われてみれば高松宮記念は、前後半の3ハロンが34秒9-34秒0のスロー。スピードに長けたアサカラキングならハナを奪ってマイペースに持ち込める可能性もあった。陣営としても千載一遇のチャンスを逃がしてしまったが、まだ4歳という年齢を考えれば、これからいくらでもG1出走の機会は訪れるはずだ。
本馬を管理する斎藤調教師は「騎手が1400mは長いと感じているところもあるようなので、1200mにシフトでも良いかな」と今後の路線選択に含みを持たせた。現時点では京王杯スプリングC(G2)を視野に入れているとのことだが、とりあえずは安田記念(G1)を目指す馬が出走する舞台で力試しといったところだろうか。
PICK UP
Ranking
17:30更新【ヴィクトリアマイル(G1)予想】ナミュールから6点で万馬券狙い! マスクトディーヴァは持ちタイムに不安ありで消し! 高速決着に対応できる穴馬で勝負
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「空前の競馬ブーム」巻き起こしたオグリキャップ…ぬいぐるみはバカ売れ、見学ツアーも大人気、「ビジネスチャンス」生かしたオーナーの慧眼【競馬クロニクル 第64回】
- JRA出鼻をくじかれた「16億円」の大勝負……。「神の馬」の二の舞だけは避けたい日高に朗報!? 海外からのニュースに関係者も安堵か
- 武豊騎手「パドック意味なし」発言に仰天……馬券購入セオリー「完全否定」のトップ騎手たちが語るパドック必勝法とは