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「幻の高松宮記念馬」アサカラキングが裏開催でうっぷん晴らし!失意の不戦敗も秋の天下取りに大きく前進
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先週末の桜花賞(G1)は、J.モレイラ騎手に導かれた2番人気ステレンボッシュが、昨年の阪神ジュベナイルF(G1)を制したアスコリピチェーノを破って桜の女王の座に就いた。
距離延長に不安のあるライバルはNHKマイルC(G1)に向かう可能性もあり、春の牝馬二冠制覇も現実味を帯びてきた。
牝馬クラシックの一冠目が終了し、今週末は牡馬クラシック一冠目の皐月賞(G1)が開催。こちらは昨年のホープフルS(G1)を優勝したレガレイラが出走を予定しており、いずれはステレンボッシュとの女王対決も実現するかもしれない。
激戦の繰り広げられた桜花賞の裏でG1級素質馬が存在感
ステレンボッシュの桜花賞制覇に沸いた一方で、同日の裏開催となった福島競馬のメイン、モルガナイトS(OP)も注目しておきたいレースだった。
本レースには、高松宮記念(G1)を賞金不足で除外になったアサカラキング(牡4、美浦・斎藤誠厩舎)が出走。もし参戦が実現していたなら勝ち負けの期待も大きかった実力の持ち主である。
実際のレースでも他馬をまったく寄せ付けずに圧勝したのだから、そんな本馬に対し「幻の高松記念馬」と評したファンがいたのも当然か。
![「幻の高松宮記念馬」アサカラキングが裏開催でうっぷん晴らし!失意の不戦敗も秋の天下取りに大きく前進の画像2](/wp-content/uploads/2023/10/Ruriko.I_20230521_saitouarata_227.jpeg)
「負けられないと思っていましたし、この馬のレースをしました。前半速い中でも残したのは実力ですし、良い走りを見せられました」
主戦の斎藤新騎手がそう振り返ったように、危うさを微塵も感じさせない圧巻の逃げ切り勝ちを演じた。
スタートダッシュこそ外枠の馬に後れを取ったが、鞍上の決意は揺るがない。手綱を押してハナを奪い切るまでに要した時間は10秒。これで勝敗がほぼ決したといっていい瞬間だった。
「2番手につけたジャスパージャックも速い馬ですが、本馬が押っつけながら追走していたのに対し、アサカラキングは持ったままのマイペースで逃げていました。前半3ハロンを33秒0でまとめると、最後の直線に入っても脚色が一向に衰えることなくゴール。まるで追い切り代わりに回ってきましたと言わんばかりの楽勝でしたね。
勝ちタイム1分7秒7は当然ながら今年の福島で最速。中距離では芽が出なかったスプリンターとしての資質を証明する走りでした。今年の高松宮記念は展開が味方する可能性も高かっただけに、出られなかったのは残念です。ハナ差で敗れた阪急杯(G3)の2着が惜しまれます」(競馬記者)
注目の快速馬は秋の天下取りも視野
言われてみれば高松宮記念は、前後半の3ハロンが34秒9-34秒0のスロー。スピードに長けたアサカラキングならハナを奪ってマイペースに持ち込める可能性もあった。陣営としても千載一遇のチャンスを逃がしてしまったが、まだ4歳という年齢を考えれば、これからいくらでもG1出走の機会は訪れるはずだ。
本馬を管理する斎藤調教師は「騎手が1400mは長いと感じているところもあるようなので、1200mにシフトでも良いかな」と今後の路線選択に含みを持たせた。現時点では京王杯スプリングC(G2)を視野に入れているとのことだが、とりあえずは安田記念(G1)を目指す馬が出走する舞台で力試しといったところだろうか。
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