GJ > 競馬ニュース > “超スロー”の日本ダービー(G1)にあった既視感の正体…
NEW

“超スロー”の日本ダービー(G1)にあった既視感の正体…「ピンチをチャンス」に変えた池添謙一の決断に「レイデオロ巻き返し」のヒントあり?

56歳でダービー勝利の横山典弘騎手 撮影:Ruriko.I
56歳でダービー勝利の横山典弘騎手 撮影:Ruriko.I

 先日の日本ダービー(G1)を制したのは、前走の皐月賞(G1)を競走除外となり、9番人気まで評価を落としていたダノンデサイルだった。横山典弘騎手が1か月前に下した苦渋の決断が間違いではなかったことを自ら証明した形だ。

 ダノンデサイルの勝因は、横山典騎手の言葉を借りれば「ちょうどいいポケットに入れて、直線までじっとできた」ことに尽きるだろう。「最後はよく弾けてくれました」と大ベテランが話したように、無敗の皐月賞馬を2馬身も突き放した末脚はまさに“ダービー馬”にふさわしいものだった。

 今年のダービーは大外枠からエコロヴァルツがハナを切ったが、1000m通過が62秒2の超スローペース。4コーナーで中団~後方の集団にいた馬で上位に入ったのは3着シンエンペラーと5着レガレイラくらい。あとは軒並み二桁着順に沈んだ。

父のマクリを再現したサンライズアース 撮影:Ruriko.I
父のマクリを再現したサンライズアース 撮影:Ruriko.I

 そんな中、スタート直後の最初のコーナーを最後方17番手で入った15番人気のサンライズアース(牡3歳、栗東・石坂公一厩舎)は、大健闘といえる4着に好走した。

「最内枠からスタートは五分に出たものの、鞍上の池添謙一騎手が『二歩目のスピードの乗りがもう一つだった』と話したように、序盤は後方からの競馬を強いられました。『内枠だけに先行するつもりだった』という作戦が叶わず、いきなりピンチを迎えたといってもいいでしょう。

しかし、バックストレッチに入って後方2番手にいたコスモキュランダがマクっていくのを見た池添騎手は、ワンテンポ遅れて追いかけるように進出を開始。3コーナーまでに2番手に押し上げましたが、ペースを考えれば結果的に好判断でしたね」(競馬誌ライター)

 ちなみにコスモキュランダに跨っていたM.デムーロ騎手といえば、同じくスローペースで流れた2017年のダービーで1番人気のアドミラブルに騎乗。その時は道中後方で脚を溜め、直線の爆発力に懸けたが、早めに動いたレイデオロに押し切られ、3着に敗れる苦い経験があった。

 デムーロ騎手はその記憶もあったのか、今年のダービーでは早めに仕掛けていったものの、最後の直線で伸びあぐねて6着という結果に終わった。

 そんなデムーロ騎手とコスモキュランダを3コーナーで交わしにかかり、先頭のエコロヴァルツに並びかけていったサンライズアース。同馬の父こそが7年前のダービーを制したレイデオロである。

「レイデオロ巻き返し」のヒントあり?

 現役時代にダービーと天皇賞・秋(G1)を制覇したレイデオロは、2019年暮れに引退、翌年に種牡馬入りした。そして2021年に生産された130頭のうちの1頭がサンライズアースである。

 キングカメハメハの後継候補として大きな期待を背負って種牡馬入りしたレイデオロだが、産駒はいまだ重賞勝利なしと苦しんでいる。種牡馬としても同期のスワーヴリチャードが重賞を4勝(うちG1・1勝)しているのと比べると、期待に応えているとは言い難い成績だ。

 ただし、今回のダービーに種牡馬レイデオロが巻き返すためのヒントが隠されているかもしれない。

「サンライズアースが採った戦法はいわゆる“マクリ”と呼ばれるもの。父レイデオロ自身が7年前のダービーでC.ルメール騎手を背に見せたのも“マクリ”でしたね。実はレイデオロの産駒は今回のサンライズアースに限らず、マクった時に好成績を残しているんです」(同)

 マクリの定義は多少アバウトながら、レイデオロ産駒がデビューした昨年6月以降の1年間で、種牡馬別のマクリ勝利数1位だったのがレイデオロで4勝だった。他にハーツクライ、ホッコータルマエ、そしてヘニーヒューズの3頭の産駒も4勝ずつしているが、芝のレースに限るとレイデオロが4勝で、2位に2勝差をつけている。

 マクリは、距離や展開、枠順、コース取りなど様々な要素がうまくかみ合った時に採られる戦法。なかなか狙ってできるものではない。ただ、自身がその戦法で世代の頂点に立ったように、産駒にもその遺伝子が組み込まれているのかもしれない。産駒のデビューから1年がたとうとしている種牡馬レイデオロもここから一気にマクっていきたいところだ。

GJ 編集部

GJ 編集部

真剣勝負の裏にある真実に切り込むニュースサイト「GJ」の編集部です。これまで作成した記事は10000本以上。競馬歴10年超えの情報通が業界の「しがらみ」を取り払った「本音」や「真実」にも臆することなく、他のサイトとは一線を画したニュース、サービス提供を行っています。

真剣勝負の真実に切り込むニュースサイト「GJ」

Twitter:@GJ_koushiki

Instagram:@goraku.horse.racing0505

“超スロー”の日本ダービー(G1)にあった既視感の正体…「ピンチをチャンス」に変えた池添謙一の決断に「レイデオロ巻き返し」のヒントあり?のページです。GJは、競馬、, , , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

5:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 福永祐一絶賛「未完の大器」近親はダービー馬と同配合!「能力は高いですよ」期待の好素材がスピードの違いでデビューV
  2. 「17対3」の雪辱に燃える社台ファームが絶好調!ノーザンファームは宝塚記念に精鋭ズラリ…覇権をかけた直接対決が面白い
  3. C.ルメールと「確勝級」デビュー? 母はG1を2勝、叔母はグランプリ3連覇…宝塚記念前に期待の超良血が登場
  4. “謹慎解除”D.レーンはやっぱり凄かった?宝塚記念に続き「帝王賞でダートの怪物」とコンビ決定…モレイラロスでも最強助っ人は健在
  5. イクイノックスの母が制した9年前のマーメイドS! 勝利に導いた鞍上は藤岡康太…2着馬は宝塚記念で最強馬相手に大金星
  6. 武豊×福永祐一「注目タッグ」の好素材とC.ルメールの良血が激突! 宝塚記念「当日」の新馬戦は今年も見逃せない一戦
  7. シンザン記念1番人気に推された「良血」が復活V! 名牝エアグルーヴの孫が重賞に匹敵の好時計で快進撃の予感
  8. JRAマーメイドS、栗東トレセンから届いた福永祐一厩舎エーデルブルーメ「本当の評価」とは
  9. 「ユタカァ、あけろー!」藤田伸二氏が明かした“恐喝”日本ダービー制覇の裏話…“怒り心頭”武豊から掛けられた恐怖の言葉とは
  10. 「6戦合計40馬身差」“川崎のヤマニンウルス”がついに中央へ殴り込み!? 妹は『ウマ娘』藤田晋オーナーが1億円超で落札の血統馬