「ピコチャンブラック彷彿」の古馬に激走ムード!? 際立つ「開業2年目調教師」の“再生工場”ぶり
27日、夏の新潟競馬がついにスタートした。今週と来週の2週間(開催4日間)は、暑熱対策として気温がピークに達する日中の時間帯に「昼休み」が導入される。
日曜の6R、準メインとして組まれているのは、佐渡S(3勝クラス、芝1400m)だ。
フルゲート18頭立てで行われる一戦で注目したいのが、半弟に重賞2勝馬のエルトンバローズがいるドグマ(牡5歳、美浦・上原佑紀厩舎)である。
上原佑厩舎、父キタサンブラック、そして石橋脩騎手という組み合わせは、先週末の2歳新馬で衝撃の逃げ切り勝ちを収めたピコチャンブラックと全く同じ。ドグマは2歳時に芙蓉S(OP)で1番人気に推されたほどの期待馬だったが、昨年1月に2勝クラスを勝利後は3勝クラスで低迷中。2走前に2着があるものの、二桁着順も多く、頭打ちの感は否めない。
今回は13着に敗れた4月のライスシャワーC(3勝クラス)以来の実戦となるが、実は前走後に武幸四郎厩舎から上原佑厩舎に転厩済み。これがドグマにとって起爆剤となるかもしれないという。
際立つ「開業2年目調教師」の“再生工場”ぶり
「関東で最年少(34歳)の上原佑調教師はまだ開業2年目ですが、転厩してきた馬を次々と再生させています。ドグマと同じ武幸厩舎からの移籍組では、ウィズダムハート、ファイアーボーラー、ニューノーマルの3頭が転厩後に勝利。いずれも転厩前は惨敗続きだっただけでなく、ウィズダムハートとファイアーボーラーの2頭は転厩初戦を制しています。
他にも須貝尚介厩舎のクリダーム、木村哲也厩舎のボーデンとアルメリア、矢作芳人厩舎のフルールといった馬が転厩初戦に勝利しているんです。いずれも実績十分の調教師の下で苦戦していた馬だけに、その手腕は際立っていますね」(競馬記者)
かつて、プロ野球界ではヤクルト・野村克也監督が他球団から戦力外になった選手を次々と復活させ、“野村再生工場”と呼ばれた。
競馬界では、岩田康誠騎手や横山典弘騎手が不振に陥っていた馬を普段の調教から付きっ切りで教育を施し、好結果を出している。先週末の中京記念(G3)で横山典騎手がアルナシームを優勝に導いたのがいい例だろう。
いずれにしても、“〇〇再生工場”というと、どうしても熟練のベテランや指揮官が成し遂げるイメージがある。そういう意味では、34歳の上原佑師が“上原再生工場”として、その名を轟かせようとしていることは異例といえるだろう。
27日時点で、ドグマは『netkeiba.com』の予想オッズで10番人気前後と下馬評は決して高くない。それでも、上原佑師の手にかかればアッと驚く激走を見せてもおかしくなさそうだ。