C.ルメール「楽勝でした」G1・6勝馬の近親が7馬身差レコードV! チェルヴィニア彷彿の軌跡、開幕週の新馬戦に今年も「伝説」の予感
27日、新潟1Rに行われた芝1800mの2歳未勝利は、C.ルメール騎手のエンブロイダリー(牝2歳、美浦・森一誠厩舎)が単勝1.1倍の圧倒的支持に応えて優勝した。
「スタートからいい脚を使ってくれた。直線も段々と加速できました」
夏休み明け初騎乗となったルメール騎手がそう振り返った一戦。エンブロイダリーはスタート後の1完歩目こそ躓くような格好となったが、すぐに行き脚がついてハナへ。前半1000mを59秒1のマイペースで進み最後の直線を迎えた。
ルメール騎手は肩ムチで軽く気合をつける程度だったが、他馬と手応えの差は歴然で徐々に差を広げていく。最後は2着に7馬身差をつけてゴール。勝ちタイムの1分45秒5は従来の記録を0秒9も更新する2歳コースレコードだった。
「エンブロイダリーは先手を奪ったものの上がり3ハロンもメンバー唯一の34秒台となる34秒4と、ここでは1頭だけ次元が違いました。新種牡馬アドマイヤマーズ産駒で母系にはビワハイジがおり、近親にはG1・6勝のブエナビスタや阪神ジュベナイルF(G1)勝ち馬ジョワドヴィーヴルが名を連ねるなど血統的にもスケール感があります。
また、2歳戦の開幕週に行われた東京・芝1600mの牝馬限定の新馬戦で2着の後、折り返しの新潟・芝1800mを6馬身差以上で圧勝は昨年のチェルヴィニアと同じです」(競馬記者)
開幕週に行われた東京・芝1600mの新馬は今年もハイレベル?
今年のオークス(G1)を制したチェルヴィニアも、初戦はエンブロイダリーと同じ新馬戦で2着に敗れていた。ただ、同馬を退けて勝利したボンドガールは重賞戦線で活躍、3着コラソンビートも後に重賞を勝つなど、ハイレベルなメンバー構成で争われた一戦だったことで知られる。
4着以下の馬も続々と勝ち上がり、その中にはG1まで駒を進めるマスクオールウィンやキャットファイトも含まれていたことから、一部からは「伝説の新馬戦」といった声も聞かれていた。
「今年もエンブロイダリーを負かしてデビュー勝ちを決めたミリオンローズ、0秒2差の3着だったクライスレリアーナあたりは次走以降も注目しておいて損はなさそうです。エンブロイダリーも間違いなく出世すると思いますし、場合によっては2年連続で“伝説化”するかもしれませんね」(同)
「最後までそんなに押していません。楽勝でした」
全国リーディングのトップに君臨するルメール騎手にここまで言わしめたエンブロイダリー。夏の新潟で今年もまた楽しみな1頭が現れた。