「次は絶対に勝てる」C.ルメールは悔しさ隠せず!? 過去ファインモーションやマンハッタンカフェが制した出世レース…「菊花賞の惑星」が痛恨取りこぼし
28日、札幌競馬場で行われた9Rの阿寒湖特別(2勝クラス)は、西村淳也騎手の騎乗した2番人気アスターブジエが勝利。5馬身差で楽勝した前走に続く連勝を決め、ステイヤーとしての素質を感じるレースでもあった。
「ビュッと来る脚がないので、段々とスピードに乗せていきました。きちんと仕上げてくれた厩舎に感謝したいです」
会心の勝利を挙げた西村騎手の思惑通り、長くいい脚を使えるパートナーの特徴を生かした技ありの好騎乗が功を奏した。
2頭の明暗を分けた勝負どころの判断
12頭立てで争われた芝2600mの一戦。道中は前走同様に後方から進める競馬で11番手から追走する。勝負どころの3~4コーナーにかけて進出すると、最後の直線で外から末脚を伸ばしてロングスパート。ほぼ同じような位置につけていたアドマイヤテラに先んじて追い出し、ゴール前で猛追した大本命馬の追撃を封じることに成功した。
これに対し、悔しさを隠せなかったのが、単勝オッズ1.5倍の断然人気でクビ差の2着に敗れたアドマイヤテラ(牡3、栗東・友道康夫厩舎)に騎乗したC.ルメール騎手だ。
同騎手はレース後、「馬は凄く良い競馬をしてくれたと思います」と振り返ったようにパートナーの奮闘を称賛しつつも、「同じ距離、同じメンバーなら、次は絶対に勝てると思います」と力負けではないと言わんばかりのコメント。言葉のニュアンス的には、道中で自身の手綱捌きに敗因があったという意味かもしれない。
「ポジション的に前を走るアドマイヤテラを見る形でアスターブジエが後ろ。ただルメール騎手がじっくりと構えている間隙を突いて、西村騎手が先に動いたことで明暗が分かれた印象です。
外から上がってきたアスターブジエに蓋をされる格好となり、アドマイヤテラは馬群を捌きながら、一足先にスピードに乗ったライバルを追いかけたため、追い出しがワンテンポ遅れてしまいましたね」(競馬記者)
58キロの勝ち馬より3キロ軽い55キロということもあって、ゴール前の脚色では上回っていたものの、「時すでに遅し」といったところ。ルメール騎手が「スローペースで直線、良いタイミングで外へ出すことが出来ませんでした」と悔やんだのも無理はない。
また、阿寒湖特別は過去にファインモーション(2002年)やマンハッタンカフェ(2001年)も制した出世レースとしても知られる。秋の菊花賞(G1)を見据えるため、しっかりと勝利を挙げておきたかったアドマイヤテラ陣営にとっても、痛恨の取りこぼしといえそうだ。