武豊「昨日の友」は今日の敵!? 良血2歳馬リアンベーレ「単勝1.6倍」も新相棒の“そっくりさん”の前に黒星発進
4日、札幌競馬場の5Rに行われた2歳新馬戦(芝1800m)は、ハナを奪った2番人気アルマヴェローチェが後続の追い上げをクビ差で振り切って優勝した。
騎乗した横山武史騎手はレース後「センスだけで勝てた感じです。背腰がまだ緩いので、これからの馬です」と、将来性を高く評価。年末や来春にかけて楽しみな牝馬が北の大地で勝ち上がりを決めた。
一方、単勝1.6倍の期待に応えられず2着に惜敗したのがリアンベーレ(牡2歳、美浦・手塚貴久厩舎)と武豊騎手のコンビだ。
キズナ産駒のリアンベーレは、母がデルマーオークス(米G1)勝ち馬ファタルベーレという良血。最終追い切りで5ハロン61秒7、ラスト11秒4の好タイムを叩き出すと、併せた年長馬を4馬身ちぎり捨てたこともあってだろう圧倒的支持を集めていた。
しかし、スタートで出遅れてしまい後方からの競馬を余儀なくされる。武豊騎手が手綱を追っつけながらリカバリーし、外々を走りながら徐々にポジションを押し上げていくと、ゴール前でもしぶとく脚を伸ばしたのだが、勝ち馬まではもう一歩届かなかった。
2週連続で大物候補と新馬Vならず…
「追い切りでは素晴らしい動きを見せていたリアンベーレですが、レース後の武豊騎手が『性格は子供っぽいところがある』『まだ競馬が分かっていない感じ』と振り返っていたように、実際の競馬に行くと随所に若い面を覗かせていましたね。
ちなみに、武豊騎手といえば先週アルテヴェローチェで新馬勝ちを決めると『大物の感触が伝わってきました』などと称賛。2週連続で大物候補とのデビュー勝ちも期待されましたが、奇しくもこの日は同じ大野照旺オーナーのアルマヴェローチェに阻まれるような格好となっています」(競馬記者)
期待に応えられず初戦白星を逃したリアンベーレ。ただ、4コーナーから直線入り口にかけては失速してもおかしくなさそうな手応えに見えたのだが、そこから再び盛り返してきた。最後の直線でも一旦は3着馬に前に出られたものの、差し返したあたりは能力の証か。
レース後の武豊騎手も「能力はあるので、競馬慣れしたら走ると思います」と話していたのだから、今回の敗戦で評価を下げる必要はなさそうだ。
もともと陣営からも「良くなるのは先」とのコメントが出ていたリアンベーレ。一度叩かれた上積みは必至と思われるだけに、次走改めて期待したい。