松山弘平「騎乗停止」や川田将雅の気になるコメントも…JRAの暑熱対策にまだまだ改善の余地
暑熱対策の一環として「競走時間帯の拡大」が取られた第2回新潟開催が先週末に4日間(7月27~28日、8月3~4日)の開催を終了した。
その内容は、日中の最も暑い時間帯に約3時間半の休止時間を設け、最終12レースの発走を18時25分にスライドするという試みで、関係者やファンに理解を求めるものだ。
長い昼休みの間には、ファンがパドック体験をできる「パドックウォーク」も実施。懸念された売り上げや入場者数も大幅増となり、JRAとしても“嬉しい誤算”だったかもしれない。
結果的に効果があった暑熱対策だがまだ改善の余地も
その一方、一部のファンからは「休み時間が長過ぎる」といった不満の声も見られ、関係者からも「根本的な解決になっていない」という率直な感想も出ていた。
やはり問題視されたのは、新潟競馬場の移動手段だろう。最終レース近くまで参加した場合、美浦や栗東の関係者の帰宅が深夜になることもあり、状況によっては新幹線や飛行機に間に合わないケースもあったという。当日中の移動が難しい場合は新潟で一泊する関係者もいたらしい。
また、土曜新潟の最終レースで騎乗していた松山弘平騎手が、翌朝に予定していた飛行機に乗れず、日曜札幌で騎乗予定の7Rに間に合わなかったため、他の騎手へと乗り替わるアクシデントも発生した。
これにより、松山騎手は17日と18日の2日間の騎乗停止処分が下された。JRAからは「航空券の購入手続きを錯誤したため」と発表されたが、前日の遅い時間までレースに騎乗していたことと、まったく関係がなかったとは言い切れないだろう。
6R以降が後ろにずれたとはいえ、準メインとメインはレース番号こそ違えども発走時間はほぼ同じ。夕方以降のレースで過ごしやすかったという評価もあったにせよ、まだまだ改善の余地がありそうな雰囲気である。
結果的に無事開催を終えた訳だが、日曜メインのレパードS(G3)で2番人気ソニックスターに騎乗していた川田将雅騎手は、レース後に少々気になるコメントを残していたことは覚えておきたい。
レースは戸崎圭太騎手の騎乗したミッキーファイトが、1番人気に応えて勝利。川田騎手とソニックスターは、中団から追走したものの最後の直線で伸びを欠いて9着に敗れている。重賞でメンバーが強化されたことも敗因のひとつと推測されるが、川田騎手が「暑さが影響しているとしか思えない走りでした」と振り返っていた。
暑さとレース結果に直接の因果関係はハッキリとしないものの、川田騎手は過去に2度のコンビを組んでおり、レパードSが3度目の騎乗。これがパートナーの実力を把握した上での言葉だったなら、暑さで実力を発揮できなかったというニュアンスに説得力もあったのではないか。
来年以降も導入が検討されている暑熱対策。JRAは、今年の教訓や改善点などを盛り込みつつ、試行錯誤を求められることになりそうだ。