武豊は9度目の2位、ワールド“オールド”スターも実現した熱戦…モレイラルールも効果てきめんの一発回答

優勝したモレイラ騎手 撮影:Ruriko.I

 24~25日の2日間にわたって札幌競馬場で開催された「2024 ワールドオールスタージョッキーズ(以下WASJ)」。どの騎手にも優勝のチャンスのあった最後の大一番を制したのは、最終的に64ポイントを挙げたJ.モレイラ騎手。今春のG1で抜群の勝負強さを見せた名手が、2015年以来となる2勝目を手に入れた。

優勝したモレイラ騎手は短期免許の条件もクリア

 今年のWASJはモレイラ騎手にとっては是が非でも結果の欲しかったところ。というのも総合5位以内に入れば、短期免許を申請しての来日が可能になるルールが適用されたからである。今春の来日で桜花賞(G1)を制したものの、基準となるG1・2勝にあと1勝足りていなかった同騎手は条件をクリアできていなかった。

 しかし、一部のファンから「モレイラルール」と評されたルール改正により、来年以降の短期免許の申請が可能となった。最終戦でG1を勝ったかのようなガッツポーズを見せたモレイラ騎手だが、短期免許の条件クリアも頭の片隅にあったはずだ。

 また、惜しくも2位に敗れた競馬界のレジェンド武豊騎手も熟練の手綱捌きで多くのファンを魅了した。前半2戦は振るわなかったが、第3戦で9番人気ティアップリオンを好騎乗で勝利へと導き、優勝を狙える位置まで急浮上。第4戦も7番人気アマイで絶妙な逃げを打ち、勝ち馬とタイム差なしの3着に好走させている。

「世界の名手と日本のトップジョッキーが競演するWASJだけに、お客さんの注目度や盛り上がりも凄かったです。もちろん新ルール適用のタイミングで一発回答を出したモレイラ騎手もさすがの手腕でした。

WASJの対象レースではなかったキーンランドC(G3)で騎乗したエイシンスポッターなんかも、インの経済コースからロスなく抜け出す好判断。サトノレーヴで優勝したD.レーン騎手も完璧に乗りこなしていましたし、白熱した好レースでしたね」(競馬記者)

 武豊騎手がWASJ終了後のコメントにパリ五輪で話題になった“初老ジャパン”というワードを早速使っていたのもさすが。流行をすぐに取り入れるあたりは、騎手界一といっても過言ではないユーモアやブラックジョークを駆使する武豊騎手ならではだろう。

 昨年のWASJで3位に終わった武豊騎手は「表彰台に立ててワールド“オールド”スターの面目を保てて良かった」と話してファンの笑いを誘ったが、今年の第3戦で2着に入った横山典弘騎手は56歳。55歳のレジェンドとワンツーを決め、2人合わせて111歳のまさに「オールドスター」が存在感を見せた一戦だった。

 ちなみに武豊騎手はWASJの前身であるスーパージョッキーズシリーズから数えて通算9度目の2位(優勝2回=1992年、2022年)。来年もトップクラスの腕前を披露してくれることに期待したい。

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