J.モレイラ「香港の刺客」とスプリンターズS参戦へ! 短期免許「条件クリア」に残されていたもう1つの道
先週24日から25日の2日間にわたって開催されたワールドオールスタージョッキーズ(以下WASJ)で、総合優勝を果たしたJ.モレイラ騎手。最終の第4戦で1着となった際には、G1レースでも勝ったような派手なガッツポーズを決めて喜びを爆発させた。
優勝賞金の300万円をゲットした同騎手は「優勝できて大変嬉しく思っております。良い結果を残せて嬉しかったです」と、感無量といったコメントを残していた。
また、この結果によりモレイラ騎手は来年度の短期免許申請権も獲得。同免許のことはいつも頭の片隅で考えながら乗っていたそうで、「来年、再来年もまた日本に来たいと思います」と、再び日本にやってくることを約束していた。
J.モレイラ騎手、スプリンターズS参戦へ!
ちなみに、今回のWASJで5位以内に入れなかったとしても、モレイラ騎手には短期免許を取得するチャンスがまだ残されていた。というのも、ビクターザウィナーとのコンビで来月のスプリンターズS(G1)参戦のプランがあることを『香港レーシング』が報じているからだ。
ビクターザウィナーといえば、今春の高松宮記念(G1)で3着に入った香港のG1馬だ。初の左回りとなった一戦、積極果敢にハナを奪うと勝ち馬のマッドクールから0秒5差に食い下がった実力の持ち主である。日本初騎乗だったK.リョン騎手を背に、あと一歩で優勝という好走を演じている。
スプリンターズSが行われる中山競馬場は地元の香港と同じ右回り、そして鞍上が日本で実績十分のモレイラ騎手に替わるとなれば、高松宮記念以上の善戦が期待できることは想像に難くない。もし勝てば、モレイラ騎手は桜花賞(G1)に続き今年2つ目のG1制覇となり、WASJに関係なく来年以降の短期免許取得条件をクリアできた計算だ。
「スプリンターズSといえば過去にサイレントウィットネスやウルトラファンタジーが勝っているように、香港馬の好走が非常に目立っているレースなんですよね。
また、オーストラリアの名スプリンター・テイクオーバーターゲットも優勝したように外国馬の活躍も目立ちます。これらの共通点はビクターザウィナーと同じく逃げ先行脚質。参戦が確定すれば当日は間違いなく面白い存在となります」(競馬記者)
ただ、秋を待たずしてWASJで5位以内のルール改正を優勝という最高の結果で早速モノにしたあたりは、さすがマジックマンといったところか。再びスポット参戦で日本にやって来られるということで、胸をなでおろしている調教師や馬主もいるだろう。
モレイラ騎手自身、春の後半は条件クリアのプレッシャーもあってか、1番人気マスクトディーヴァに騎乗したヴィクトリアマイル(G1)では、最後の直線で進路が詰まるという“らしくないミス”もあった。
晴れて来年以降の見通しが立ったことで、今は肩の力も抜けているはず。秋のG1シリーズ開幕戦ではマッドクールやサトノレーヴと最高の対決が見られそうだ。