ジャスティンミラノ、ジャンタルマンタル不在の菊花賞…底見せていない素質馬に権利取りの期待
アーバンシックが優勝したセントライト記念(G2)も終わり、今週末の神戸新聞杯(G2)の結果で菊花賞(G1)の顔触れも見えてくるだろう。
過去10年でトーホウジャッカル(14年3着)、サトノダイヤモンド(16年1着)、キセキ(17年2着)、ワールドプレミア(19年3着)、ジャスティンパレス(22年1着)といった5頭が、菊の大輪を咲かせたように本番に直結しやすいレース。データ的な傾向では3着以内の好走が勝ち負けの指標となりそうだ。
上述した馬の前走は、日本ダービー(G1)が3頭と2勝クラスが2頭。勝ち馬に限ってはダービー組が9勝と圧倒的だが、2勝クラス組でも3着以内に入れば、菊花賞で好戦を期待出来るかもしれない。
混戦必至の神戸新聞杯の穴候補は?
また、勝ち馬は5番人気で優勝したジャスティンパレス以外すべて3番人気以内。2着3着は穴馬の食い込みもあるが、軸馬は上位人気を選択する方がベターか。特に近4年は、20年ロバートソンキー(14番人気3着)、22年ヤマニンゼスト(12番人気2着)、23年サヴォーナ(10番人気2着)と4回中3回で二桁人気の大穴が激走中だ。
今年の出走予定メンバーを見渡してみると、前走ダービー組はショウナンラプンタ、ジューンテイク、ビザンチンドリーム、ミスタージーティー、メイショウタバルの5頭。格がモノをいう傾向を踏まえると、勝ち馬はこの中から出る可能性が高い。ここからさらに突き詰めると、3番人気以内に入った馬を選べばいい。
ただ、ダノンデサイルが菊花賞に直行し、皐月賞馬ジャスティンミラノは天皇賞・秋(G1)、NHKマイルC馬ジャンタルマンタルは富士S(G2)を予定。さらにシンエンペラーは欧州遠征、レガレイラは牝馬限定G1を視野。ここまで手薄になると、思わぬ波乱に終わる可能性も十分にある。
かといって春の段階ですでに底を見せている馬の一変までは厳しいはず。狙ってみたいのは、キャリアが浅く未知の魅力のあるタイプ。配当的な妙味も含めて推したいのは、ウエストナウとサブマリーナの2頭だ。
「ウエストナウの京都新聞杯(G2)は非常にいい内容でした。当時高速馬場だった京都で好位につけたスピードは魅力です。デビュー戦で騎乗した西村淳也騎手も今後が楽しみと評していた素質馬は、中間でダートのG1馬ラムジェットに併せ馬で先着と順調。陣営も権利を取るために力が入る一戦です。
サブマリーナも前走に続いて武豊騎手とコンビを継続。お手馬のシュガークンが左前浅屈腱炎を発症して戦列を離脱したため、本番で見学は避けたいところ。切れる脚のある馬でレジェンドもお気に入りの1頭です。このメンバーなら好勝負に持ち込めそうですよ」(競馬記者)
いずれにしても混戦必至の菊花賞。過去ダービーと菊花賞の二冠を達成した馬は、クリフジ(1943年)とタケホープ(1973年)の2頭のみ。神戸新聞杯組の他に夏の新潟で名を上げたピースワンデュックやヘデントールも怖い存在だ。何が勝っても驚けないレースとなりそうである。