ジャパンCでも天皇賞・秋でも下馬評覆す4歳馬の好走…「最弱世代」の汚名返上着々、出遅れて逃げてもダービー馬に先着の逸材が待望の復帰

タッチウッド 撮影:Ruriko.I

 昨年の有馬記念(G1)でダービー馬タスティエーラが6着、皐月賞馬ソールオリエンスが8着に敗れたこともあり、ネットの掲示板やSNSなどで一部の過激なファンから「史上最弱世代」のレッテルを貼られた現4歳世代。牝馬三冠を制したリバティアイランドが希望の星だったものの、1番人気で出走した天皇賞・秋(G1)で13着と大敗を喫してしまった。

「最弱世代」の汚名返上着々

 ただその一方で、同レースの2着にタスティエーラ、3着にホウオウビスケッツが食い込み、ジャパンC(G1)でも菊花賞馬ドゥレッツァが2位同着と意地を見せた。春の大阪杯(G1)ではベラジオオペラが古馬になって待望のG1初勝利を挙げ、秋のスプリンターズS(G1)でもルガルが続いた。年齢別の重賞勝利数でも最多28勝の5歳世代に続く20勝を残しており、有り難くないイメージの払拭に成功しつつある。

 そんな4歳世代に願ってもない素質馬が復帰戦を圧勝して帰ってきた。

 それが、日曜東京の11RアーモンドアイC(3勝クラス)を圧勝したタッチウッド(牡4、栗東・武幸四郎厩舎)である。

 本馬は2022年11月の新馬戦でR.ムーア騎手を背に6馬身差のデビュー勝ちを決め、クラシック候補の一角に名を連ねた実力の持ち主だ。圧巻だったのは2戦目の共同通信杯(G3)の走り。スタートで出遅れるアクシデントがありながら、道中で徐々にポジションを上げてハナを奪い、ゴール寸前まで勝ち負けを演じる強さを見せた。

 結果的にファントムシーフに交わされて2着に敗れたが、これといった不利のなかった4着のタスティエーラに先着。同馬が後のダービー馬だったことを考えれば、チグハグなレースで勝ち負けに持ち込んだタッチウッドの強さが伝わる。

 クラシック一冠目の皐月賞(G1)では武豊騎手とコンビを組み、6番人気で13着に惨敗したものの、前進気勢が強過ぎて暴走気味に脚を使う不本意な競馬。その後は脚元の故障もあり、1年7ヶ月ぶりの実戦を迎えたのが、先週末のアーモンドアイCだった。

「父ドゥラメンテに母父アドマイヤムーンで近親にディープボンドやノースブリッジもいるなかなかの良血です。今回も逃げて楽勝したように気性的な危うさはありますが、3勝クラスではモノが違いましたね。

524キロの前走から16キロ増の540キロと大きな馬が、まだまだ本調子とはいえない中で2着に2馬身半差の大楽勝。使われた上積みを考えれば次走も問題ないでしょう。重賞を勝てるだけのスケールもあります」(競馬記者)

 今回圧勝した舞台は東京の芝2000m。順調なら来年の今頃は天皇賞・秋の有力馬の1頭として名乗りを上げていても不思議ではないかもしれない。全弟の武幸四郎厩舎の管理馬でもあり、武豊騎手としても次走が気になる1頭ではないだろうか。

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